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文化大革命五十年について

 新聞の書評にあった、本年1月岩波書店刊「文化大革命五十年」(楊継縄著、辻康吾編、現代中国資料研究会訳)を読んだ。

 中共上層部の権力闘争が文革という壮大な実験場ならぬ悲惨な修羅場を各地にもたらし、長い目で見れば、その反作用ともいうべき、民衆のエネルギーの発散たる天安門事件や今の香港における混乱を生んだ。

 小生が1981年瀋陽で中国語修得に努めていた頃は文革の雰囲気が強く残り、1985年上海・蘇州・杭州に旅行した頃も文革の余韻はあった。香港・大陸に出張していた1994〜1996年頃であっても同世代以上の中国人に会えば文革が必ず話題となり、なつかしく語る成功者も中にはいた。

 日本に帰化した今の中国人の忍耐心と不屈の精神の根源は天安門事件であり、その大本は文革である。文革発動時に学童期であった小生も「権威を否定し、労働を重視する」という動きを父から伝えられ、子供心に中国で何か大きなことが起きていると感じたことを覚えている。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2019-06-27 10:52 | Comments(0)  

楊逸氏の北京再訪記について

 6月11・12日付の神奈川新聞に楊逸氏の北京再訪記が掲載された。「愛する天安門」の前でチェックを受けたために入れなかったのは気の毒であるが、文章だけで天安門広場の雰囲気や現地中国人の思いが十分伝わって来た。

 楊逸氏の指摘する、現代中国におけるカメラの増殖は密告社会の弛みを補完し、得点主義は人民管理の徹底を図り、広がる格差は経済成長の裏返しと考えれば、全ては巨大国家の運営に伴う必要悪と考えられないことはない。

 同氏程の能力があれば、共産党の模範幹部となれただろうが、日本に留学、日本に帰化して、作家として活動する生き方は傍目には良いように見えても、愛国と憂国がないまぜとなった、その複雑な思い迄を理解することは出来ない。

 香港での大規模デモや台湾での一国二制度に対する反発といった状況を見るに、嘗て失うものが少なかった中国も経済発展を達成した今となっては路線・政策に失敗があれば、破綻の道が待つのみ。内政外交面での疑心暗鬼の攻防が続く。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2019-06-13 12:30 | Comments(0)