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司馬遼太郎『項羽と劉邦』について-2

さて、中国では共産党の統制が利かず、日本ではマスコミの輿論誘導が奏功しなくなって来ているのが、日中間の摩擦の原因であり、双方の悩みの種である。

根本的な問題としては、中国共産党が人民に対し実状を伝えず、日本のマスコミが国民より遊離していることである。

この際、中国で司馬氏が日本の暗黒史を剔抉(てっけつ)する「左翼作家」として大いに評価されることになれば、日本での司馬氏の評価も変わり、人民・国民レベルでの「歴史認識」が稍(やや)近づく契機となり得るかも知れない。

司馬氏が「右翼作家」であれ、「左翼作家」であれ、その作品により日中の蟠(わだかま)りが些(いささ)かなりとも氷解することになれば、同氏も泉下で感涙に咽(むせ)ぶのではあるまいか。そうなることを竊(ひそ)かに期待している。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2006-09-11 21:09 | Comments(0)  

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