温又柔著『台湾生まれ 日本語育ち』について

 以前から書評等で何度も紹介されていた、1980年生の温又柔著『台湾生まれ 日本語育ち』を興味深く読んだ。

 これ迄も少なからぬ台湾人が様々な形式で語って来たものと似通(にかよ)っているが、日本語を主とし、台湾語・中国語を従とし、その間で揺れ動く若い世代の女性の感情の機微が良く表現されているように思う。

 言葉の違いで生ずる不安定な状況に関する台湾人の置かれた立場は、日本人が感ずる標準語と方言の差といったものを遙かに超えるものであることは明白である。

 内容としては、親の世代や自分自身が中国や台湾で生活したり、台湾人に接触したりした経験がなければ、細かいところを理解することが難しいかも知れないが、台湾および台湾人の一層の理解のために大いに参考となる好著である。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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by ayanokouji3 | 2017-11-28 11:04 | Comments(0)  

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