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出自意識の払拭と後退について

5月15日(日)産経28面の「ニッポンの還暦」という欄に、GHQの通訳であった韓国人(79歳)の感想として、日韓間に国交のなかった20年間を評して、「当時の日本人は、韓国が植民地だった事実すら忘れかけるくらい無関心で、食べることに精いっぱいだった」とし、韓国では、「植民地した日本人をみな嫌いだった。韓国は敗戦国日本よりも貧しく、発達の遅れなど何でも日本のせいにした」と書いてあった。

日韓国交正常化交渉は、昭和26年に始まり、昭和40年6月、日韓基本条約調印。爾来40年、上記の感想は、現在の韓国政府要人の心情を忖度(そんたく)すれば、「今の日本人は、韓国を植民地だったと見下し、その歴史を美化している」となり、韓国では、「敗戦国日本が韓国より優位に立つことなどあってはならないことだ」と置き換えられることだろう。

思うに、母国における個人としては、●●出身といったような時代にそぐわないような出自意識はある程度払拭する方が新たな自己発展の契機となる。一方、国というのは、最後の自己認識の具であり、これを完全に払拭する訳には行かない。

最近、日露戦争直後からシベリア出兵初期に亙(わた)り、韓国・満州で勤務した祖父の海外勤務録を読み返してみて、朝鮮及び朝鮮人に対しては最初の侮蔑的表現から、後になるに従い同情・憐憫(れんびん)の表現に変わって来ており、当時における朝鮮問題への対処の困難さが看(み)て取れた。小生の持論であり、たとえは悪いが、朝鮮問題とは国際的な「同和」問題であり、国際社会が南北朝鮮及び「朝鮮人」の本格的地位向上に尽力し、民族の誇りを自他共に認めることが出来るような環境づくりを一層なすべきで、そのためには日本としても或程度の譲歩はやむを得ないと考える。

しかし、その前提として、手始めに韓国政府及び韓国人が出自意識を些(いささ)か後退させる必要がある。靖国問題についても、韓国側は出自意識を剥(む)き出しにせず、沈黙すべきである。日本政府としては、韓国政府が中共政府の尻馬に乗って、援護射撃をするようなことはやめさせるべきである。韓国が国内事情を抱えていることは認めても、日本に八つ当たりさせてはならないのである。

(註)
人間はとかく事象を単純に図式化してとらえる傾向があるが、その方が理解し易いからである。戦後続いている日本国内での旧軍無差別全面否定の風潮がそうであり、陸軍(A級戦犯)悪玉論もそうである。それらは余りに単純な見方であり、一面をとらえたものに過ぎない。日本の輿論がこうした幼稚な考え方から完全脱却出来れば、国として、台湾との連携を含め、将来、国際社会で重きをなすことが出来ることだろう。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2005-05-28 20:59 | Comments(0)  

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