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「兄弟牆に鬩ぐ」について

「兄弟牆(かき)に鬩(せめ)ぐ」とは詩経が出典の成語である。

最近、親戚が随分前に書いた本を読んでいて、面白い箇所を見つけた。
「紙に書いた家憲などの持ち合わせのない旧家の方が、家も平和でよく治まり、代々栄えているのに、よさそうなことを・・・新しく奉書紙などに麗々しく書き上げて巻物にしたり、掛額にしたりしている新興の成金の家の、その新家憲などが一向に行われず、その家では喧嘩口論の波風が絶えず、・・・家も支離滅裂、親も子も兄も弟も、仇敵同様になりがち」とあった。

そこへ、「西武」グループ総帥の堤氏の逮捕のことを知った。報道では堤家には立派な家憲があるらしいが、兄弟の仲は悪かったという。

その本にはこうも書いてある。
「それにしても、家は小さなものだから、大したことにはならないけれども、国は大変である。」

翻って、台湾内の政情を仄聞するに、陳総統の親民党の宋楚瑜主席との合意を不満とした独立建国派の総統府顧問が相次いで辞表を提出したという。親中、中立、独立の各派が対立するのはまだしも、独立派の中でも対立が表面化して来たようである。意見の異なる者同士が妥協を図ろうとすると、如何しても悶着の種となるのは世間の常である。これをしも「兄弟牆に鬩ぐ」というのだろう。

台湾がもし人心の統一に失敗することになると、現状維持はおろか、独立は困難、何れ中国に呑み込まれてしまう恐れがある。独立を大声で叫んでも、国際場裡の冷厳な駆引と諸国の戦略に押し潰されてしまう。それは国々の滅亡の歴史が物語っている。このことは、台湾人自身が真剣に考えなければならぬことである。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2005-03-16 22:15 | Comments(0)  

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