「公家たちの幕末維新」について

 刑部芳則(おさかべよしのり)著『公家たちの幕末維新』(中公新書)を読んだ。公侯伯子男の爵位による華族制度がなくなってから70余年の平成の今、旧藩主の後裔はまだしも、公家の後裔(こうえい)に至っては確かに存在感が希薄である。

 本書を読み、維新の大業が多くの公家達の権謀術数を含む「活躍」なくしては成し遂げられなかったであろうことを理解する共に、維新に関する最終的論功行賞としての叙爵の際、爵位に不満を抱く公家(くげ)達がいたことを知った。

 ところで小生は、平戸藩の観点から、三条実美(さねとみ;子爵となる筈の平戸藩主松浦詮(あきら)が伯爵となるための口添(くちぞ)えを行う)および中山忠能(ただやす;夫人が松浦詮の曽祖父静山の十二女)に以前より着目して来た。

 本書には、本来、子爵となるべき中山忠能が「国家に偉勲ある者」とされ侯爵になった一方、伯爵にとどまった上位の家格の嵯峨・中御門(なかみかど)両人が4年後に漸(ようや)く侯爵となったことなどが紹介されており、興味は尽きないが、中山忠能の孫に当たる明治天皇の出自に関する異説についての記載はない。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2018-09-14 13:45 | Comments(0)  

日米朝関係と中国・台湾について

 6月の米朝首脳会談の実現後、朝鮮半島のきな臭さは一旦収まったものの、日米韓共に次の一手が打てずに「手待ちの無駄」という状況が続いている。

 北朝鮮との交渉は譬えるならば、老獪(ろうかい)で試合巧者の監督とのゲームであり、今のままでは日米韓共に太刀(たち)打ち出来ないのではないか。

 北朝鮮を日米と対等な立場で交渉のテーブルにつかせるには、先(ま)ず人民が一定程度豊かになることが先決であるが、これは実現しそうにもない。また、そうなればなったで、別の目標が掲げられる筈(はず)である。

 最近、来日30年の中国人の小事業主と話した。彼は貧富の差が広がった現在の中国よりも物のなかった昔をなつかしく思うことがあるという。中国の台湾への一層の執着心も人民が豊かになりつつあるが故(ゆえ)の引き締めに向けての焦りと思われる。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2018-08-27 17:54 | Comments(0)  

聖書の言葉について

 台湾には熱心な基督(キリスト)教信者が多いことを知っている。小生自身は信者ではないが、母方の祖先が17世紀初に小藩の宗門奉行(しゅうもんぶぎょう)として切支丹(キリシタン)弾圧の先棒(さきぼう)を振ったことから、若い頃から聖書には関心を抱いて来た。

 他方、日本同様、台湾にも福祉主義が浸透しつつあると聞く。基督教の神と福祉の神は同一の存在に見えることがある。そこで、福祉の観点から聖書の言葉の解釈を自分なりに試みた。日本人よりも台湾の方々に読んでいただければ有難(ありがた)い。

(聖書の言葉-福祉の観点からの解釈)

  • 請ふ者に与へ借らんとする者を拒むな。真に福祉・援助を必要としたり、暫時借金・借用を熱望する人を拒否してはならない。もし、それらに理由がなく偽りであれば、罪作りとなり面倒なことにもなる。

  • カイザルの物はカイザルに神の物は神に免除措置がない限り、公租公課等、納付すべきものは速やかに納付すべきであり、また、自分の所属する団体に会費を納め、寄付も行うのは当然のことである。

  • 天は自ら助くる者を助く。天とは実在する主宰・援助者ではなく、己自身である。何事も努力することなく得られるものは少ない。時に「棚からボタモチ」の幸運もあるが、長続きはしない。

  • 医者を必要とするは病人なり、われは義人を招くに非ずして罪人を招かんがため来たれるなり。福祉の前では万人が平等であり、病人・障害者・前科者の別を問わない。程度が悪ければ悪い程、救済の道が広がっている。一般の人は関与せず見守るのみである。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2018-08-13 12:19 | Comments(0)  

戦争の評価について

 先日、当該業界では最大手のメーカーの事業所の見学会に参加した際、写真・映像・漫画を駆使した会社紹介ビデオを見た。明治10年代の創業で、国策に従って事業を展開、国と盛衰を共にして来た経緯が良く判った。

 日清以来の一連の戦争の場面はあっても、評価は一切なく、淡々としたものであった。また、1937年7月に始まった戦争のことは文字にせず、単に音声で「日華事変」と表現し、支那事変、日支事変、日中戦争としていなかったところに製作上の意図を感じた。

 先の戦争に関しては事ある毎に、総括が終わっていない、真実の解明がなされていないなどと声高に言う識者もいるが、思うに、昭和30年代迄には議論は出し尽くされていたのではないか、それ以降の議論は能書・後講釈に過ぎず、国内外で不毛な議論が繰返されたのではないか。

 余計なものが捨象され、後先のことが見えるような年齢となった今、そのように考えることしきりである。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2018-07-28 20:38 | Comments(0)  

中台統一について

 7月14日の東京新聞朝刊に、13日に習近平氏が連戦氏と会談した記事が載っていた。

 連戦氏は「朝鮮半島情勢の好転を引き合いに、中台関係の手詰まり状態を指摘した」とある。

 中国という大国の懐の深さを示すには、台湾の呼称が「中国台湾省」であれ「チャイニーズタイペイ」であれ、台湾という実質的な独立国家を認めて良い頃合と思われる。

 それこそが中国の内政の安定と国際的威信の確立を内外に示すものである。「終身」国家主席の習近平氏の任期中に実現することを期待する。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2018-07-15 21:36 | Comments(4)  

日朝関係について

 お互いに「百年河清を俟(ま)つ」ことの出来ない米朝首脳会談の「余韻」が収まり、当面の危機はないが、融和も見込めないという、日朝関係の日常に戻った感がある。

 日中関係の南方版たる台湾問題に対応する北方版が日朝関係であり、飯島勲氏が意欲を示す交渉人(週刊文春6月14日号)を立てたとしても、後見人の中国のみならず他国からも足を引っ張られ、「やらずぶったくり」の憂(う)き目に遭ったりして、事がうまく運ぶ保証はない。

 それよりも、安倍首相の任期を3年延長、2021年迄といった短期とせず、拉致問題を含め、全ての懸案を処理・解決するための「終身」の首相とする旨を北朝鮮側に確約する方が余程(よほど)効果的である。

 或(ある)いは、若干の交渉チャンネルのみ残し、只管(ひたすら)現状維持、無為無策のまま、危機が沸騰点に達する迄、様子見を続けるという手もある。日中関係が主で、日朝関係は従であることを日本人は呉々(くれぐれ)も忘れてはならない。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2018-06-29 04:38 | Comments(0)  

日台交流について(台北在住李叔徳氏への返信に代えて)

 古い世代が次々と亡くなり、日台の絆が稀薄・表面的になりつつあった頃、乃南アサ「六月の雪」の創作の契機となったと作者が認める東日本大震災が絆を思い出させ、蘇らせることとなった。

 去る4月、李叔徳氏は京阪神のほか、「播州赤穂浪士所在地兵庫県」を巡ったという。台湾人たる彼が、現代日本人の心理の分析の一助ともなるという忠臣蔵の故事について如何なる感想を抱いたのかは、今更尋ねる迄もない。

 上記作者によれば、「日本人と台湾人は、生活習慣も感性も、似ているようで全然似ていない」が、「私たちは通じるところもあるんだと思ったんです」という(週刊文春6月14日号)。

 根本的な深層において、加害者・被害者共に実は朝鮮系という、コリアンワールド内の怨念に満ちた状況に振回されて来た過去を深く反省し、共通点の方が多い日台が未来のために何が出来るかを共に考える時機が正に到来したと言えよう。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2018-06-14 13:48 | Comments(0)  

中台の「政冷経冷」について

 5月21日の日経新聞朝刊に、中台「政冷経冷」長期化へ、という見出しの記事があった。

 日中間にも嘗(かつ)て「政冷経熱」と言われた頃があった。政治と経済とは基本的には相関・比例関係にあり、「政冷経冷」の状況が普通である。

 問題はその状況が長期化するか否(いな)かであるが、今のところ、中国による台湾工作は「笛吹けど踊らず」、民意は親中にあらざるが如し。

 過去の経緯を踏まえれば、台湾にとって「政冷経冷」は不都合な選択肢ではない。蔡政権に対する評価は後日高まる筈である。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2018-05-28 13:36 | Comments(0)  

御真影を拝して

 一年後に平成の御世(みよ)が終わりとなる今、明治天皇・昭憲皇太后の御聖徳・御偉業を偲(しの)び奉り、日本国の国運の発展に聊(いささ)かなりとも寄与せんことを誓い、生甲斐(いきがい)のある一生を送らんとすることこそ日本人のつとめである。

 一部の日本人の父祖には、戦国時代から領主に従い内戦に、また、豊臣の世に朝鮮出兵、切支丹(キリシタン)討伐、徳川の世では島原の乱平定に参加した者がいる。

 主が旧藩主から天皇に代わった明治の御世からは陸海軍にて外戦に参加、国力の拡張に貢献したのである。台湾・韓国・満州に駐勤した父祖の事蹟を思う時、万感胸に迫るものがある。

 最後の大東亜戦争の齎(もたら)した結果には様々な意味があった。後裔(こうえい)としては、日本人としての誇りを保たねばならない。高齢となり、そのように考えるようになった。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2018-05-14 13:40 | Comments(8)  

台湾の役割について

 国際政治ショーとしての南北首脳会談が実現、当面は偶発戦争が遠のいたかに見える。中国の存在感が増しているのは言う迄もない。

 先般の中朝首脳会談が早期に実現したのは台湾問題が理由であるとする見方もあるが、中国にとっての比重は台湾問題の方が朝鮮半島問題よりも大きいのかも知れない。

 日本としては国際社会の目先の動きに振り回されず、先走りせず、じっくりと構えていれば良い。小生は手堅い日本外交に大いに期待するものである。

 国際社会の中でうまく立ち回り、不安定な構図を生み出さないよう、中国を牽制するという台湾の役割は極めて重要であり、何事もなければ引続き評価されることだろう。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2018-04-29 08:24 | Comments(0)  

女性の活躍について

 女性が総統の台湾では総統府秘書長に女性を起用することとなったという。良いことである。

 以前は活躍する女性と言えば、何かと情緒不安定でヒステリー気味の近視眼的な人という印象があった。今は活躍の場が広がって来ており、一概にそのように言えなくなった。

 小生もこの歳になって恥ずかし乍(なが)ら、女性週刊誌を読むようにしたところ、読者に配慮した観点・表現に鋭さがあり、中々面白く感じている。

 活躍する女性に望むのは、男達を凌ぐ勢いで仕事をこなすのではなく、無理をせず、大局を見据えた悠々たる態度で物事に処してほしいということである。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2018-04-14 16:25 | Comments(0)  

森友問題の追及について

 大小を問わず問題を適宜捌(さば)き得ることに保守的な政治家や官僚の真価が発揮されるのであるから、野党が彼等が問題を矮小(わいしょう)化することを以て大問題だとし、大騒ぎし、追求の手を緩(ゆる)めないことにも一定の自制があって然(しか)るべきである。

 再び脚光を浴びつつある森友問題を、米国人風に論評するならば、良いニュースは健全な「民主主義」が試されつつあることであり、悪いニュースは山積する問題が先送りになりつつあることである。

 保守的な政治家や官僚の本領が事勿(ことなか)れ主義であるのは致し方ないことで、国民は蚊帳(かや)の外とし、森友問題の落着を奈辺にするかは当事者同士で決めれば良い。

 森友問題の追及が許される限り、日本は「内憂外患交々至る」状況ではないことだけは確かである。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2018-03-28 09:50 | Comments(1)  

二・二六事件について

 2月下旬、82年前の二・二六事件に関する今日的意味を解説する講演を興味深く聴いた。あらゆる角度から既に研究され尽くした感のある事件にあらためて触れることには意義があると思われた。

 戦前の体制には時代の背景に応じ、当然のこと乍(なが)ら限界があった。上官の命令に従うことを第一義とした当時の兵士の思想教育の是非を今の尺度で論ずることは慎むべきである。

 事件後の粛軍・統制強化が全面的戦争への道につながった訳であるが、たとえ事件が首謀者に有利に運んだとしても、結末は同じであったものと思われる。

 事件・事故は数十年も経(た)てば自(おの)ずと風化して行く。二・二六事件もまた完全に風化してしまったものと言って良いだろう。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2018-03-15 10:35 | Comments(4)  

台湾タイヤル族について

 東京新聞2月27日夕刊に、台湾宜蘭県澳花村というタイヤル族の村でいまだに日本語が使われているという写真付記事(半頁)が出ていた。

 日本統治期間の影響の大きさは言う迄もないが、日本語が便利であったからこそ、戦後70年以上も日本語が共通語となって来たのである。

 タイヤル語の伝承がうまくなされなかったのは言葉に文字がなかったことと、然(しか)るべき教育システムがなかったからであろう。

 何かにつけ、台湾を通じて日本の過去を知ることが出来るのは有難(ありがた)いことである。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2018-02-28 09:06 | Comments(1)  

トランプ現象の影響について

 トランプ現象の余波と見られる金正男(キム・ジョンナム)毒殺事件が起きてより既に一年、オリンピックの最中にも半島情勢には様々な動きがある。

 トランプ現象は、居心地が悪いと感ずるような一部の米国民よりも他国政府への影響が大きく、報道された内容以外にも何かと振り回されていることだろう。

 世界の中心の位置にある米国に多くの国が長い間頼って来たことの反対作用として種々の側面における今日の動揺がある。

 日本としては佐藤首相の言の通り「自ら守る気概」で防衛につとめることこそ自国を含めたアジア地域の安定を招来するものであり、差し当たり何をすれば良いかは自ずと明らかである。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2018-02-14 10:03 | Comments(1)  

昨夜の台湾東部地震に際して

 昨6日の深夜、台湾東部でマグニチュード6.4の大地震が発生、花蓮市のマーシャル・ホテルが倒壊する等し、死者2名・負傷者200名の被害が出ていると言う。

 月並みではあるが、亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げると共に、負傷された方々の一日も早い回復、又、未だ救出されていない方がおられるとすれば、一刻も早い救出を願わずにはいられない。

 隣国にして友邦の台湾に心を寄せる者の一人として、今回の災害からの一日も早い人的・物的復興が為される事を切に祈念申し上げる。

竹下義朗 TAKESHITA Yoshiro

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# by ayanokouji3 | 2018-02-07 07:27 | Comments(0)  

反腐敗闘争について

 6年前の王立軍事件に始まる中国の反腐敗闘争は対象を大物から小物へ転じ、地方の末端組織に及ぼす方向となったようである。

 これが可能となるのであれば、習政権にとっては長期安定を図る一つの要因となるが、果たして如何(いか)なる結果となるのだろうか。

 他方、新聞報道によれば、北京で「スカイライン・クリーニング」という街の看板撤去騒動があり、市は一時停止を決定したという。

 後のことは構わず忠誠心を示すための勇み足が続けば、当然のこと乍(なが)ら、揺り戻しが来る筈である。反腐敗闘争に限らず、そうしたことの繰返しを経て来たのが中国という国なのである。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2018-01-29 05:02 | Comments(0)  

台湾の立場について

 13日の日経朝刊記事に、広辞苑が台湾を中国の一部として表記していることに対し、台湾外交部より修正を求めているとあった。12日発売の広辞苑第7版は小生も購入し、第6版との違いを適宜調べてみた。

 14日の同記事には、中国民用航空局が米デルタ航空の謝罪を受け、世界の航空会社の中国部門に対し、自社サイトで香港や台湾を国家として扱っていないか調査するよう命じる通知を出した、とある。

 中台共に他国の民間企業の措置について、非常に敏感となっていることが判るが、自国の存立意義がかかっているだけに譲歩出来ず、今後もこうした事態は頻繁に起きることだろう。

 台湾は中華民国という古めかしい国号を活かしつつ、中華人民共和国と距離をおき、現状維持を図ることしか最早道は残されていないように思う。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2018-01-14 17:09 | Comments(0)  

本年を振返って

 「モリカケスキャンダル」の追及は、総選挙を挟み、長期間に亙(わた)り、新たな資料が次から次へと出て来たものの、神学論争の如く一向に決着を見ず、今となっては野党による自己の存在価値の証明という目的での「戦い」に過ぎなかったと感じている。

 そもそも、以前の保守系の人々がつながっていたのは、普通よりも緊密な関係のもとで子女の進学・就職・結婚等、お互いに様々な世話をしていたからで、「モリカケスキャンダル」のような状況が起きたとしても何ら不思議ではなく、本来指弾すべきものではない。

 かつてのアバウトで若く活気ある社会から、健康志向の静謐(せいひつ)・無臭・無菌を重視し、弱者の人権のみならず、犬・猫のような動物の権利迄大事にするような社会となり、種々の制約を受けることで、一部には肩身の狭い時代となった。

 国会・メディアのみならず、社会全体に奥行きがなく、皮相で軽薄な風潮が浸透しつつある中、充実した「福祉」制度で飼い殺しになり、自己の意見を適切に主張出来ないような、劣化した日本人が大量に発生していることの方が憂慮され、問題とされるべきである。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2017-12-28 05:33 | Comments(1)  

「六月の雪」について

 オール讀物12月号で連載が終わり、来年6月刊行予定の小説、乃南アサ「六月の雪」を読んだ。祖母の願いを託された孫が台南に赴(おもむ)くという内容で、家庭問題も織り込んだ佳作と言える。

 台湾の置かれた立場や台湾人の複雑な思いが詳しく説明されており、これ迄台湾に余り馴染(なじ)みのなかった人達にとっては恰好(かっこう)のガイドブックたり得る。

 日台共に、世代一変、過去を過去として脇に置いたまま、新たな視点で日台関係を考える時期に到達したように感ずる。

 国対国、国対個人、個人対個人といった枠を越えて、融通無碍(ゆうづうむげ)に関係を築くことこそ日台の本来あるべき姿である。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2017-12-13 17:38 | Comments(0)  

温又柔著『台湾生まれ 日本語育ち』について

 以前から書評等で何度も紹介されていた、1980年生の温又柔著『台湾生まれ 日本語育ち』を興味深く読んだ。

 これ迄も少なからぬ台湾人が様々な形式で語って来たものと似通(にかよ)っているが、日本語を主とし、台湾語・中国語を従とし、その間で揺れ動く若い世代の女性の感情の機微が良く表現されているように思う。

 言葉の違いで生ずる不安定な状況に関する台湾人の置かれた立場は、日本人が感ずる標準語と方言の差といったものを遙かに超えるものであることは明白である。

 内容としては、親の世代や自分自身が中国や台湾で生活したり、台湾人に接触したりした経験がなければ、細かいところを理解することが難しいかも知れないが、台湾および台湾人の一層の理解のために大いに参考となる好著である。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2017-11-28 11:04 | Comments(0)  

在日中国人について

 在日中国人は小生にとって最も興味ある観察対象の一つである。この十数年間、多くの人達を身近に観察する機会を得て、彼等の世代の交代と価値観の変化を感じて来た。

 文革を話題とすることの出来る、何となくぎこちない人達が少なくなっている一方、考え方が前向きで処世術に長けた若者が多くなって来ている。

 東京新聞朝刊「私の東京物語」に1980年代に来日した、作家楊逸が10話完結のエッセーを掲載中である。彼女と似たり寄ったりの経験をした中国人達を知っているが、エネルギーに満ち溢れている。

 他国での理不尽な思いを克服したからこその中国人の客観的成功は、日本人の安定した外国生活同様、簡単に得られるものでない。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2017-11-14 11:57 | Comments(1)  

民進党の分裂について

 10月22日の総選挙に関する後講釈は種々あれど、民進党から希望・立憲民主党が派生したことにより、公明・共産・維新が割を食っただけの結果となった。

 民進党は解党せず、本体が未だに残っているところに、現状に至る矛盾・問題が露呈しているのは、無理からぬことである。

 「昔の名前で出ています」といった大物にどうしても頼らざるを得ないのは、政治の世界の奥深さ故でもある。

 各党が早期に意見を集約して「大同団結」、日本国の発展のために大いに貢献してほしい。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2017-10-28 21:20 | Comments(0)  

台湾問題について

 世界に様々な変化が見られる中で目立たなくなっているのが台湾問題である。

 大紀元時報等により、中国による台湾での種々の工作が進行中であることは判っているが、以前程のインパクトがない。

 現在の状況下、台湾問題が大きくクローズアップされないことが良いことなのか否かは結果論である。

 ともあれ、中国にとって刺激的な、台湾の政治家による台湾独立の発言を期待するのは決して悪いことではない。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2017-10-14 14:33 | Comments(0)  

政界再編について

 衆院解散を機に政界再編の動きが突如として加速化するという事態の急変に、殆(ほとん)どの国民が狐(きつね)につままれたような思いがしていることだろう。

 世界各国の様々な動揺に比べれば、このところの日本の政治はかなり安定して来ていた。主義・主張が受け入られなかったり、役職面で重用(ちょうよう)されなかった政党・政治家が遺恨を晴らす絶好の機会ではある。

 国民が政治に関心を寄せること自体は決して悪いことではない。他方、空疎・無責任・実行不能な、漠然とした評論・理想論に惑わされて、常識的・現実的・建設的視点が欠けていれば、以前の新党ブームと同じことになる。

 現状に不満を覚える一定数の国民に対するガス抜きの効果はあるものの、時間が経てば最大公約数的な状況に収斂(しゅうれん)し、落ち着くべきところに落ち着くのは過去の事例が教えるところである。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2017-09-29 09:13 | Comments(0)  

北朝鮮問題について

 9.11の惨事が起きてから既に16年、欧米の動揺や中国での内部闘争が続き、世界にくすぶる火種の中で、ここに来て北朝鮮問題が前面に出て来たのは、必然のことである。

 北朝鮮問題には、欧米的価値観を是としない個人商店的国家からの異議申立という側面があり、人民の生活水準を抑制している独裁体制存続および国際的地位の向上への欲求に根ざしたものであることは言う迄もない。

 1990年代同様、歩調の揃わない国際社会がさんざん振り回された挙句、最終的に、国家存続に手を貸す結果となるような気がしてならない。

 南朝鮮である韓国はもとより、宗主国たりし日本が主導的立場で携わることが出来ず、本来持つべき解決能力もないことこそ、問題の本質である。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2017-09-14 14:11 | Comments(0)  

日本国の行く末について

 一時期、一般の報道は「モリ・カケ」騒動で持ち切りであった。今、冷静に思い起こすに、入閣待望組の恨みとスクープ記事の枯渇から来たものと素直に解釈すれば、納得出来る。

 その間、「ファースト」の会派の勢力伸張が見られたものの、肝心の民進党の凋落(ちょうらく)には特段の驚きはなく、旧社会党をはじめとする、信念なき政党の栄枯盛衰を見る思いがする。

 さて、日本国の行く末を憂慮して識者が種々論ずることは尤(もっと)もであり、傾聴に値する。例えば、小泉氏子息が企業経営者の「年金返上」を提唱し始めたのは当然の成り行きであり、小手先の策であってもやらぬよりましである。

 政治でも経済でも暗中模索、試行錯誤した上で、所詮なるようにしかならないのが世のならいである。日本国の行く末は明るいものと信じて余生を送るほかはない。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2017-08-28 13:10 | Comments(0)  

戦後72年の所感

 戦後30~40年頃迄は様々なレベルにおいて戦争の生々しい記憶を呼び起こす努力がなされていたように思うものの、50年ともなると、政治の駆引の材料に使われ、村山談話という、一方的な歴史認識を踏まえた、唾棄すべき談話が登場した。

 60~70年になっても村山談話が足枷となり、歴史認識の完全是正が遠のいたのは残念なことであるが、その後、籠池騒動の過程において、教育勅語に関心が集まったのは意外であった。

 戦後72年に当り、開戦と終戦の詔勅を襟を正して、眼光紙背に徹するが如く拝読するとき、今の時代にも十分通用する、日本民族の進むべき路線が明らかとなる。

 研究し尽くされて、再発掘・秘録といった区々たる歴史の事実というものに目新しさがなくなった今こそ、上記詔勅の意義を甚だ大きく感ずるのである。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2017-08-14 20:07 | Comments(0)  

老台北の死を悼む

 作家・司馬遼太郎の『街道をゆく 台湾紀行』に「老台北」の名で紹介された台湾の親日家・蔡焜燦氏が7月17日、90歳で大往生した。

 「親日国」台湾に於いても、とりわけ「親日家」、いや「愛日家」として知られた蔡焜燦氏は、台湾の精神的支柱・李登輝元総統と共に、日台両国の友好親善に多大な功績を残し、我が国では平成26(2014)年春の叙勲で旭日双光章を受賞、今年度の外務大臣表彰も受けた。

 その蔡焜燦氏が逝った。

 「日本人」として生まれ、終戦迄、日本語環境の中で育った「日本語世代」も齢(よわい)を重ね、一人、又一人と鬼籍に入っていくが、日本統治時代を知らない若い世代にも、彼らの蒔いた種子は確実に受け継がれている。

 時は移ろう。だが、日台両国の絆は時と共に深まりこそすれ、薄れる事は無い。

 「老台北」の蒔いた種子は確実に育ち、芽吹き、そして、花開いているのである。

竹下義朗 TAKESHITA Yoshiro

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# by ayanokouji3 | 2017-07-29 06:07 | Comments(0)  

孫政才失脚について

 習近平の後継者の一人と目された孫政才の失脚が明らかとなったが、江一派に通ずる不届者の処分として見せしめの効果が大いにある。

 2013年の王立軍事件から始まる一連の反腐敗闘争が一段落したかに見え、王岐山の醜聞が出て来た後にこうした事態が出来するとは、中国の権力闘争のダイナミックさには目を瞠るものがある。

 米国ではロシアゲート、オバマケア代替法等の難問が立ちはだかり、日本でもはっきりしない政治の世界での争いが続いている。情報が余りに多過ぎることが難点であり、日米それぞれの国民のレベルを反映している。

 中国の政治状況はこれと異なり、情報が少な過ぎて、何が起きているのか判らないところに不気味さと難解さがある。人民もそのレベルということである。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

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# by ayanokouji3 | 2017-07-28 16:35 | Comments(0)