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夏目漱石の小説について

6月22日に「夏目漱石の漢詩について」を記したときに、台湾の人に漱石の「吾輩は猫である」を薦めた。

何せ百年以上前の小説であり、久し振りに読んでみたが、猫の目から見た文明批評・社会風刺・人物月旦はユーモアに富み、非常に新鮮に覚えた。

台湾について記した箇所は、「七」の「洗湯」(銭湯)の記述で「此(この)硝子(ガラス)窓の中に・・・騒いで居る人間は悉(ことごと)く裸体である。台湾の生蕃(せいばん)である。二十世紀のアダムである」とあった。

精神に疾患があったとされる漱石ならではの痛烈な批評に小気味よさを覚えるのは、年をとり世間が見渡せるようになったからと自負する次第である。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2008-08-12 20:52 | Comments(0)  

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