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阿川弘之『大人の見識』について

去る2月台北行の際、劉大人に進呈した阿川弘之著『大人の見識』(新潮新書)をあらためて読んでみた。

文化勲章受賞者でもあり、「文化」の馥郁(ふくいく)たる香りと手厳しい人物月旦には恐れ入るばかりである。

英国賛美の「ネイビイズム」の鼓吹は致し方ないとしても、狩野直喜氏の「今日の陸軍の政治的独断と横暴は全てこれ宋学の余弊」という話を紹介しているあたりは、文化人としての良心を感ずる。

自ら謙遜して言う「老文士の個人的懐古談」としておくには勿体ない書であり、40代半ば以降の諸君には是非一読を勧めたい。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2008-05-10 20:08 | Comments(0)  

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