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訪台所感-5

台北滞在中、旧知の台湾人宅を訪問したところ、インドネシア人のメイドがいたので、インドネシア語やジャワ語で話し掛けたところ、一層表情が弛(ゆる)んだのが印象的であった。

メイドの用意する台湾料理を賞味しながら、具材の一部は中国からの輸入品で、単純労働は外国人に依存するという台湾の現状の一面を垣間(かいま)見た思いがして、日本に相通ずるものを感じた。

17日の毎日新聞6面に「街角-台湾 外国人労働者の境遇」というコラム記事があり、「親日と言われ、日本人に優しい台湾社会」に対し、「外労と呼ばれる出稼ぎ労働者にとって、台湾は日本人が感じるほど優しい社会ではないのかも知れない」とし、調査では、その数35万7937人、うちインドネシア人11万5000人とする。

要するに低賃金とプライバシーのないような彼等(かれら)の労働条件に対し、「同じ台湾社会で暮らす別の外国人の境遇に、胸が締め付けられた」と結んだ記者の高みからの見え透(す)いた同情心には敬意を表するものの、事は然程(さほど)単純ではないということは明らかである。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2008-02-18 11:48 | Comments(0)  

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