小田滋氏寄稿について
最新の学士会会報に、小田滋氏(東北大名誉教授、元国際司法裁判所裁判官)の寄稿があった。
父親が台北帝大に奉職し医学部長ともなっていたこと、七年制台北高校の高等科で自分の同期に李登輝氏がいたこと、光華寮訴訟に関し去る3月の最高裁における期日外釈明の際数名の弁護士と共に台湾側訴訟代理人となったこと等の紹介がなされている。他の台湾ゆかりの人士同様、功成り名を遂げた老齢の学者且つ元司法官が台湾の為に努力されていることに感銘を受けた。
内容の一部を適記すれば、
温家宝首相来日の際、日本側は中国側の求めた「一つの中国」政策を支持するような言明は避けたとされているが、本当のところは判らない。現政権が相手方に都合の良いような言質を取られていないことを願っている。
父親が台北帝大に奉職し医学部長ともなっていたこと、七年制台北高校の高等科で自分の同期に李登輝氏がいたこと、光華寮訴訟に関し去る3月の最高裁における期日外釈明の際数名の弁護士と共に台湾側訴訟代理人となったこと等の紹介がなされている。他の台湾ゆかりの人士同様、功成り名を遂げた老齢の学者且つ元司法官が台湾の為に努力されていることに感銘を受けた。
内容の一部を適記すれば、
- 昭和47年の日中共同声明に「台湾が中華人民共和国の領土の一部であるとする中華人民共和国の立場を充分理解し尊重する」とあるが、政府間の共同声明は政治的には有意ではあるが、国際法上は拘束力をもたない。
- 「台湾の独立」とは元々「中国国民党の支配からの独立」という意味で使われていたのであり、「中華人民共和国からの独立」という意味は全くない。台湾が中華人民共和国とは無縁の存在であったという基本的認識を欠いてはならない。
- 最高裁は民事訴訟には必要もない政治認識の問題に踏み込み、中華人民共和国の政治的認識を法と錯誤した。これは、国際法に対する認識不足に起因する。
温家宝首相来日の際、日本側は中国側の求めた「一つの中国」政策を支持するような言明は避けたとされているが、本当のところは判らない。現政権が相手方に都合の良いような言質を取られていないことを願っている。
古川 宏 FURUKAWA Hiroshi
by ayanokouji3 | 2007-07-03 20:34 | Comments(0)