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北京五輪と台湾問題について

フランスでは、シラク氏の後継を選ぶ大統領選挙が行われ、右派のサルコジ氏と、左派のロワイヤル女史による決選投票が行われる事となりました。扨(さて)、「日臺一宇」に何故(なにゆえ)フランス大統領選の話題を持ち出したのか? と疑問を持たれた方もおられる事と思いますが、さに非ず。今回、フランス史上、初の女性大統領を目指しているロワイヤル候補が、とある発言をした事で物議を醸しました。と言う訳で、先ずは以下のネットニュース記事をご覧頂きます。
北京五輪ボイコットも・仏ロワイヤル氏

【パリ=共同】フランス大統領選の決選投票に進出した社会党の女性候補、ロワイヤル元家庭担当相は25日、スーダン西部ダルフールの人道危機問題に触れる中で、中国の外交姿勢を問題視。人道危機の解決に向け、来年の北京五輪のボイコットもあり得るとの立場を示した。フランス公共ラジオが伝えた。

 ロワイヤル氏は国営テレビのインタビューで、中国が石油資源獲得を優先し、ダルフール紛争を軽視しているとの視点から「(中国に対し)厳しい制裁があり得ることを示さなくてはならない。石油があるからといって、忌まわしい大虐殺を放置していいことにはならない」と強調。

 北京五輪ボイコットの可能性を問われると「(ボイコットを)排除しない。事態を動かすため、あらゆる手段を用いる必要がある」と述べた。

 これに対し、中国外務省の劉建超報道局長は26日の記者会見で「いかなる口実、政治的理由があろうと、ボイコットを主張するのは国際社会の願望に背く行為だ」と強く反発した。

元記事:http://www.nikkei.co.jp/kaigai/eu/20070426D2M2603J26.html
2007/04/29 06:53 日本経済新聞社
詰まり、ロワイヤル女史は自らが大統領に就任した暁には、2008年北京五輪のボイコットもあり得る事を、先進国の中で初めて表明した訳です。まあ、「中国」(支那)と言う国は、ロワイヤル女史がやり玉に挙げたアフリカのスーダン(ダルフール紛争)に関わらず、自国内でもチベット・ウイグルを筆頭に多くの異民族弾圧、人権侵害問題を抱えており、これは裏を返せば、スーダンを当て馬にした支那の深刻な人権問題に対する懸念・不満の表明でもある訳です。

翻って、台湾海峡に目をやると、支那は台湾が「独立」した場合、武力解放(軍事侵攻)も辞さずとのスタンスを変えていません。彼ら(支那)にとっては、台湾問題で妥協する事は絶対に「あり得ない」訳です。ですから、北京五輪迄は、たとえ台湾が「独立」を宣言したとしても、手を出さないだろうと言う考え方は、非常に甘いとしか言いようがありません。「やる時には、何を差し置いてもやる」のが支那です。

1980年開催の旧ソ連・モスクワ五輪は、ソ連軍によるアフガン侵攻に対する抗議から、日米をはじめ、旧西ドイツ・韓国・支那等、50ヶ国が大会をボイコットしました。もしも、今次、支那が台湾侵攻を企てる様な事となれば、モスクワ大会同様、日米両国は間違い無く大会をボイコットするでしょうし、フランスをはじめとするとする欧州諸国も少なからずボイコットに回る事でしょう。そうなれば、当然、北京大会はモスクワ大会同様、五輪史上から見れば「失敗」の烙印を押される(少なく共、「大成功の裡に滞りなく終了した」等と言う評価は絶対にあり得ない)事は必至ですが、支那が台湾を併合出来るのであれば、中南海(北京)の共産党指導部は、北京五輪を「人身御供」にする事を何ら躊躇しないでしょう。何と言っても、彼らの天秤上では、五輪成功よりも台湾併合の方が余程、重い訳ですから。

この北京五輪問題には、この他にも裏ドラマがあるのですが、それは次回、改めて書こうと思います。

竹下義朗 TAKESHITA Yoshiro

by ayanokouji3 | 2007-05-01 21:41 | Comments(1)  

Commented by 古川 宏 at 2007-05-07 18:54 x
フランスの大統領選挙への8割を超える投票率の高さには驚くが、所詮期限付の元首たる大統領制である。日本の天皇制に優るものはない。中国側の非礼を咎(とが)めないところに、日本国の風格を感ずる。有難いことである。

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