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馬英九氏の起訴に思う(2)

昨日、古川さんが馬氏の件について書かれましたので、私もこの件に付いて意見を述べたいと思います。

報道によると、今回の起訴で、馬氏は自らが党主席を務める国民党の規定により、党公認候補として総統選へ出馬する道を閉ざされたにも関わらず、「来年の総統選に参戦する」と表明しています。詰まり、党規定に反しての「出馬表明」は事実上の「離党表明」と受け取っても良いものです。一方、国民党内では、過去二度、総統選に出馬し、二度共、陳水扁氏に敗れた連戦前主席再登板の声が上がっているとの事です。そうなれば、国民党からは、実質的に馬・連の二氏が出馬する事となり、党の票も二つに割れる事は必至です。

昨今、現職の陳水扁総統に付いては、夫人の公金横領疑惑で指導力の低下が著しく、次期総統選で、民進党が総統の座を国民党に奪還されるかも知れないとの懸念がありましたが(実際、先の台北・高雄と言う二大都市の市長選では、首都・台北市長の座を国民党に取られている)、そこへ来て、今回の馬国民党主席の起訴です。「面白くなる」と言えば不謹慎かも知れませんが、次期総統選の行方が混沌としてきた事は確かであり、李登輝元総統の「爆弾発言」共相まって、台湾政局が与野党入り乱れての「カオス(混沌)時代」に突入した事は間違いなく、隣国の一国民としては目を離せません。ひょっとしたら、最大野党の国民党が分裂、一気に与党をも巻き込んだ政界再編に進むかも知れません。

嘗ての支那事変に於いて、国民党が、蒋介石の右派(重慶抗日政府)と、汪精衛の左派(南京親日政府)に分裂した時期がありましたが、今回も、馬・連氏を御輿に互いに党の主導権を巡って党員が真っ二つに割れるかも知れません。但し、国民党が台湾に進駐して来た当時とは違い、外省人と内省人と言う「省籍」による派閥形成は考え難い。寧ろ、半世紀の時を経て、「余所者」であり「支配者」であった国民党(党組織であり党員)が「省籍」では無く、「中国人」か「台湾人」かと言う自らの「帰属意識」=出身地域に関係なく支那と台湾、何れに今後未来の自国の拠り所を求めるか、と言う点がクローズアップされるのでは無いか? そうなった時、台湾に在り乍ら頑なに「中国国民党」を名乗る外来政党が、「台湾の国民党」として初めて台湾に根を下ろす、台湾に於ける国民政党として再出発する契機となるのでは無いか? その様な事を考え乍ら、今後も、台湾政局の動向を注視していきたいと思っています。

竹下義朗 TAKESHITA Yoshiro

by ayanokouji3 | 2007-02-15 22:20 | Comments(0)  

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