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台湾に続き、大陸でも新幹線車輌発車。然し・・・(1)

<中国>新幹線が営業運転開始「日本の技術」は隠す
[ 01月28日 19時44分 ]

【杭州(中国浙江省)大谷麻由美】日本の新幹線技術を導入した新型車両「CRH2型子弾頭」が28日、中国で初めて営業運転を開始した。白い車体、ドアや車内の間取りなど新幹線とうり二つだが、中国メディアは「日本の技術導入」には触れず「中国独自ブランド」を強調している。中国の鉄道事業への日本企業参入には批判が強く、中国政府は新型車両の運行開始で反日感情が再燃することを懸念しているようだ。

 CRH2型は、川崎重工業など日本企業6社が中国の「南車四方機車車両」(山東省青島)と共同で製造した。東北新幹線「はやて」「やまびこ」に採用された「E2系1000」がベースとなっている。営業運転を始めたのは上海―杭州、上海―南京の2路線。午前8時半に上海南駅から杭州行きのCRH2型(16両編成、定員1220人)がほぼ満席で出発した。

 「飛行機の中みたい」。上海市の女性会社員、過純益さん(50)は1等車の乗り心地に満足そう。初乗りのために53元(約800円)するチケットを購入した。「鉄道オタク」を自称する男性会社員、王海さん(25)は「横揺れが少なく、騒音が小さい」と語った。

 新華社通信は新型車両について「中国が独自ブランドを創設し、知的財産権を所有」と報じた。乗客の多くは「新幹線と関係あるなんて知らない」とそっけなかった。

 中国政府は、経済発展に伴い増大する輸送需要に対応するため、4月のダイヤ改正で在来線の運行速度を現在の最高160キロから200キロに引き上げる予定。この日運行を始めた2路線に加えて広州―深圳(広東省)間でも2月から新型車両が導入される。

 新型車両の受注に関しては、中国の反日サイトが04年8月、日本企業の参加に反対する署名活動をネット上で展開。10時間で6万8733人の署名を集めた。中国当局は反日世論を抑えるため同サイトを強制的に閉鎖した経緯がある。

元記事:
http://www.excite.co.jp/News/world/20070128194400/20070129M30.050.html

私は、今月6日の投稿(『一番列車、「板橋発 高尾行」?』)に於いて、日本の新幹線車輌(700系改良型)を海外で初採用した台湾高速鉄道に付いて取り上げました。

台湾版新幹線に付いて、現地では車輌が「日本製」である事は周知の事実ですし、概ね肯定的に受け止められています。嘗て、台湾は日本の統治下にありましたが、その事が日本の新幹線導入に対する阻害理由にはなりませんでした。其処にあるものは、例え嘗て自国を統治した旧宗主国の日本のものであったとしても、「良いものは良い」、それ故に導入すると言う思考でした。その点が、同じ統治下にあった韓国(フランス製TGV車輌導入)とは違った訳です。

翻って、支那はどうか? 支那も台湾と同じく日本の新幹線車両(E2系1000改良型)を採用しましたが、台湾とは異なり、殊更「中国独自ブランド」を強調し、日本製車輌である事をひた隠しにしています。(写真が支那版新幹線)

台湾に続き、大陸でも新幹線車輌発車。然し・・・(1)_c0058035_22293193.jpg

支那では、新型列車車輌の受注に関して、反日サイトが煽動する形で、2004年8月、「日本製車輌の導入反対」に約7万人もの署名が集まったそうです。その「民意」を無視出来ない支那政府が、日本製車輌の導入を隠した事は理解出来ます。何故なら、先の「反日暴動」が実の所、「反政府感情」の裏返しであった事を政府は嫌と言う程、承知しているからです。然し、その結果、一体何を生むと言うのでしょう?

日本製車輌を導入した支那版新幹線の乗客の多くが、台湾での反応と同様に肯定的でした。唯一違う点は、台湾ではその新型車両が「日本製」である事が十分承知されていたのに対し、支那では「中国独自ブランド」であると信じられ、よもや「日本製」だ等とは想像だにされていない事です。(勿論、「反日」支那人は、「日本製」である事は百も承知でしょうが)

支那では、知的財産権保護に対する意識が非常に希薄で(韓国もその傾向がありますが)、「中国独自ブランド」であると信じられているものの多くが、実は「偽造」であったり、「コピー」(模倣)であったりします。「HONDA」が「HONGDA」だったり、「SONY」が「SQNY」だったり。然し、人民の多くはそれがコピーだ等とは露共思っておらず、「中国独自ブランド」であると信じて疑いません。

二言目には、直ぐ「反日」を叫ぶ人民が、自分達の身近にあるものの多く ── 「中国独自ブランド」品だと信じていたものが、実は自分達が反発している「日本製」であったと知った時、彼らは一体何を思うでしょうか? 北京空港の改修が日本の巨費によって成されたのを政府によってひた隠しにされていた事、そして、その事を知らないでいた人民。急速な経済成長と発展により、「21世紀の超大国」になると信じて疑わない自国の、身近な部分の多くに「日本」が関わっている。詰まり、現在の支那の発展の裏に日本が深く関わっている事を知らない「悲劇」と、その発展の根源である日本を攻撃してやまない「喜劇」。今回の支那版新幹線のニュースは、改めてその事を思い起こさせてくれたと思っています。

竹下義朗 TAKESHITA Yoshiro

by ayanokouji3 | 2007-01-28 22:33 | Comments(0)  

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