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台湾人と日本人のアイデンティティについて-3

台湾人から、「では、日本人のアイデンティティは如何」と問われれば、アイデンティティ自体は最終的には天皇制に頼ることが出来るものの、個々人の実態は覚束(おぼつか)ないものがある、とでも答えるしかない。

『産経新聞』(11月11日朝刊16面)には阿久悠氏の随筆があり、そこには「今の時代の中でいちばん稀薄になり、断ち切れてしまったものは、父と子の存在理由と存在価値である」とある。一面言い得て妙である。

また、同新聞(11月10日朝刊16面)には作家笹倉明氏の随筆があり、「かつての日本が美しい国だったかと問えば、必ずしもそうではない。美醜こもごもというのが正解だろうが、戦後は美の部分をも捨て去ったことは間違いない。・・・差別と貧困の時代があったなら、その歴史を学べばいい。そうすることで、いまの日本と日本人がみえてきたりする」とある。月並な見方とはいえ、同感である。

アイデンティティは固より「父子相伝」が難しく、さりとて読書により得られるものでもないだろうが、病気になる程悩む必要もあるまい。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2006-11-15 19:20 | Comments(0)  

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