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台湾司令官の陸自視察について(2)

 古川さんが、「富士総合火力演習」に於ける胡鎮埔・台湾陸軍総司令官の「私的」視察に対する支那の反応について御指摘されましたので、私もこの件について述べたいと思います。

 先ずは、『山梨日日新聞』8月25日の記事を引用します。
観光で来日の台湾陸軍総司令官
富士火力演習を視察
中国は抗議

 陸上自衛隊が24日に東富士演習場(静岡県御殿場市など)で行った国内最大規模の実弾射撃訓練「富士総合火力演習」を「観光目的」で来日した台湾の胡鎮埔・陸軍総司令官が、視察したことが分かった。複数の日台関係筋が明らかにした。国交がない日本と台湾の間では、経済や文化面などの交流は活発だが、正式な軍事交流は全く行われていない。今回の視察については中国も事前に把握し、こうした形の「交流」に対し、日本政府に抗議していた。それが無視された格好となり、中国からの反発は必至だ。

 演習は隊員教育を主な目的として毎年実施。今年は24、26、27日の3日間を予定しており、24日の演習は、今後の演習に先立つ「予行演習」の形で主に国内外の軍事関係者を招待し公開した。防衛庁は胡氏を公式招待していないが、この日の演習には招待者の知人らも同行が可能で、胡氏はこの枠で視察したとみられる。

 胡氏は今年2月に陸軍総司令官に就任。日本は台湾政府の一部の幹部などを除き、観光目的で入国する場合には査証(ビザ)を免除しており、観光客として22日に来日した。

 防衛庁によると、演習は、教育訓練部隊「富士教導団」を中心にした隊員約2千人と戦車60両、大砲40門やヘリコプターなどの航空機20機が参加して大量のミサイルや実弾を使用する。26日は「教育訓練」、27日には「一般公開演習」を予定。教育演習と一般公開演習で日本駐在の各国武官らを招待するほか、一般公開演習では見学者を公募し、抽選で3万人を招待している。

台湾司令官の陸自視察について(2)_c0058035_2214402.jpg 支那(中国)は反発し抗議しましたが、胡氏が国(台湾)でどの様な肩書(陸軍総司令官)であろうと、来日目的が「観光」であり、日本が公式に招待していない以上、抑も「視察」に対して、支那が日本に抗議する事自体がお門違いと言うものです。今日(27日)は一般の人達も演習を観る事が出来ましたが、一般の人達でさえ観られるものを、あくまでも「観光目的」で来日した胡氏が観てはならないと言う法はありません。(写真は、昨年の「富士総合火力演習」の模様)

台湾司令官の陸自視察について(2)_c0058035_2218517.jpg ところで、今回、胡総司令官は招待状の無い「私的」視察でしたが、私は今後、尖閣諸島や天然ガス田問題で対立している支那を牽制する意味からも、日本は防衛「省」が台湾の軍幹部を積極的に招待し、両国の軍事交流を深めていく可きものと考えます。台湾に「新幹線」が採用(台湾高速鉄道/今年10月開業)され、更に台北市中心部と郊外を結ぶ新路線に愛知万博で注目を集めた「リニモ」(磁気浮上式リニアモーターカー/右上写真)を導入する事が決定される等、日本の先端技術が台湾に移植されています。その延長として、例えば、海上自衛隊の護衛艦を台湾に輸出し、兵装・運用システムの共通化を図る ── 日台両軍の統合運用 ── 事で、「共通の敵」に対する共同防衛体制を構築する。その端緒として、今回の胡総司令官の視察が活かされる事を期待しています。

 余り知られていない事ですが、極東「某国」の軍関係者が、東南アジア「某国」に出向(表向きは休職又は退職扱い。帰国後、軍籍復帰)し、自国式の軍事教練を現地軍兵士に対して行っています。(電子機器は極東「某国」製を導入。軍服も極東「某国」のデザインに類似) 又、インドネシアに対して「某国」の巡視船が3隻供与される等、水面下の軍事交流は意外と活発です。その様に考えると、我々が考える以上に、日台両国の軍事交流も進捗しているのかも知れませんが・・・
竹下義朗 TAKESHITA Yoshiro

by ayanokouji3 | 2006-08-27 22:18 | Comments(0)  

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