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先制攻撃論について(2)

古川さんに続いて私もこの件について述べたいと思います。

先ずは、以下のニュースをご覧頂きたい。
敵地攻撃論で日本けん制=中国

【北京11日時事】中国外務省の姜瑜副報道局長は11日の定例記者会見で、日本政府高官が敵基地攻撃能力の保有を検討すべきだとの考えを示していることについて、「関係国は冷静さと自制心を保持し、地域の平和・安定の維持につながることを多く行うよう希望する」と述べ、日本国内の議論をけん制した。
(時事通信) - 7月11日21時1分更新
これは、日本国内での「敵基地攻撃能力の保有に関する検討」発言を受けて為された支那側の「見解」ですが、私はこの「問題」に関して支那には万分の一も発言権は無い、と断言します。それは何故か?

抑(そもそ)も支那は吉林省通化の基地に、日本の首都・東京を始めとする大都市、自衛隊及び在日米軍基地を標的とする戦略核ミサイル「東風(ドンフェン)21」型等を配備しています。これは、支那が日本を明確な「敵国」と見なしている証拠であり、且つ、日本と支那、若(も)しくは、米国と支那の間に有事が発生した際、日本国内の戦略拠点=支那側から見た場合の「敵基地」を攻撃する能力を保有している事を意味します。

現在の日本には、遠隔地の空爆には不可欠な航空母艦も無ければ、同じく遠隔地を攻撃可能な戦略ミサイルもありません。詰まり、現時点で日本と支那、若しくは、日本と北鮮が戦争状態に陥ったとしても、日本には決定的な打撃能力が無いと言う事になります。これでは、支那や韓国、そして、北鮮が言う様な「軍事侵略」を日本が行う事は不可能です。にも関わらず、支那がこの「問題」で日本を批判したと言う事は、別の「意図」があるものと考えねばなりません。詰まり、「核戦力」と言う戦略的兵器を保有し、殊(こと)この面では、日本に絶対的なアドバンテージがあり、外交・政治面に於いても日本をリードしている支那が、将来的に東アジア地域に覇権を打ち立てる野望を持っている事は周知の事実ですが、その野望の前に立ち塞がる存在として日本が台頭する事を快く思わない、だからこそ、自分達は日本に先んじて敵基地攻撃能力を保有しているにも関わらず、日本が保有する事を「許さない」訳です。とは言え、支那の思うが儘(まま)でいる程、戦後60年を経た日本人は「ヒツジ」ではありません。

今日昼の時点で、この問題に関して、Yahoo! JAPANが行っていたネット投票「日本が敵基地攻撃能力を保有する事」の是非について、投票者の約8割が賛成票を投じていました。詰まり、北鮮のミサイル発射を受けて、日本人が目を覚ましたと言う事です。又、戦後一貫して「信仰」されてきた「憲法第9条に則った平和主義の堅持こそが日本と世界の平和と安定に寄与する」と言う御題目が、結果的に何の役にも立たなかった。自分達の身は自分達の手で守らねばならない。その為には、実際に使うか使わざるかに関わらず、万が一の際の「保険」として、日本も敵基地攻撃能力は保有しておく可(べ)きである、と日本人が認識しだした訳で、ようやく真っ当な、そして、これこそが本来ある可き姿である、と私は感じました。

その意味では、今回、ミサイルを一日に7発も発射した北鮮に対しては「感謝」しますし、当然の反応であり対応である日本の対北鮮制裁決議案に対して、あからさまに妨害、成立の阻止を図ろうとしている支那に対しても「本音」を見せてくれて「有り難う」と言いたいですね。

翻(ひるがえ)って台湾はどうか? 以下、『台湾週報』の記事をご覧頂きます。
陳総統「台日の安全保障におけるパートナーシップの重要性を強調」

 陳水扁総統は7月11日、総統府で日本の萩生田光一・衆議院議員と会見した際、北朝鮮のミサイル発射問題に触れ、「北朝鮮の行為は日米に対する深刻な挑発であり、アジア地域の平和と安定を大きく損なった」と懸念を示すとともに、台日の安全保障におけるパートナーシップの重要性を強調した。

 陳総統はこの席で昨今の台日関係の緊密さを指摘し、その具体例として、世界保健機関(WHO)年次総会での台湾の参加に対する日本の支持表明や、日米安全保障協議委員会(2プラス2)において台湾海峡問題の平和的解決が共通の戦略課題に盛り込まれたこと、台湾の観光客に対する日本のノービザ措置の恒久化を挙げた。そのうえで、台日は最良の価値観同盟と経済、安全保障においてパートナーシップを築いていることを指摘し、さきの王金平・立法院長(国会議長)に続き現在馬英九・国民党主席(党首)が日本を訪問中であることに触れ「日本の与党が台湾の与野党、各界と交流を深めることはよいことだ」として、歓迎する姿勢を示した。

 さらに、北朝鮮のミサイル発射問題について「日米に対する深刻な挑発であり、アジア太平洋地域の安全を脅かし破壊したことに大きな懸念を抱いている」と述べた。陳総統は、1996年台湾初の総統直接選挙の前日、中国が台湾に向けてミサイルを発射し、台湾本土からわずか55キロの海上に落下したにも関わらず、台湾の国民はこうした威嚇に動揺することなく選挙を無事に終了させたことを挙げ、北朝鮮のミサイル発射に対する日本人の心理に共感を示した。そのうえで、日米安全保障協議委員会で台湾海峡問題の平和的解決が共通の戦略課題に盛り込まれたことを改めて歓迎するとともに、台湾の軍事購入予算案が国会でなかなか通過しないことに日本の各界が懸念を抱いていることに理解を示した。

 陳総統はまた、今年市制施行90周年を迎えた東京都の八王子市にある有名な「高尾山」の発音と、台湾の高雄(カオシュン)市が以前「打狗(ターカオ)」と呼ばれていたときの発音が似ていることを挙げ、両市が姉妹都市関係を結ぶ良縁になるとの考えを示した。

 これに対し萩生田議員は、両市が姉妹都市関係を結び、今後台日の文化、経済、観光の各方面で交流が盛んとなり、両国国民の相互理解と友好がさらに深まることに期待を示した。また、北朝鮮のミサイル発射問題について「心を痛めているが、今回の事件を通して周辺各国がアジア太平洋地域と台湾海峡における安全の重要性を再認識することにもつながった」との見方を示した。
【総統府 2006年7月11日】
陳総統の発言をご覧になって皆さんはどう感じられたでしょうか?

北鮮のミサイル発射(実際には、そればかりで無く拉致や麻薬・紙幣偽造問題等も原因であるが)を受けて日本が見せた反応と、日本に対する北鮮と同様、台湾に対して威嚇目的でミサイルを発射した支那の反応と、一体どちらが正しいか? 答えは言う迄も無いでしょう。

今回の問題で更にはっきりした事があります。それは、日本が支那やコリアとはどうやっても仲良く等出来ない事。そして、真に同盟関係を結ぶは台湾である事。

最後に、ミサイル発射を受けて国防意識に目覚めたのと同様、戦略的パートナーとしての台湾の存在に日本国民の目がより一層向く事を私自身、強く望みたいと思います。

竹下義朗 TAKESHITA Yoshiro

by ayanokouji3 | 2006-07-13 20:43 | Comments(0)  

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