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この10年について-2

台湾におけるこの10年は如何なるものであったか。

前述の通り、1996年の総統選の際、中国のミサイル演習による両者の緊張関係が一時的ながら発生し、代償は大きかった。2000年には民進党の陳氏が選出され、総統に就任した。2004年には僅差で再選された。

この10年を一言でいえば、名分と実利の相剋であったと思う。台湾人の中国への進出は年を逐って積極的となったが、中台の緊張関係は基本的には変っていない。

年初来の陳総統の「廃統」の動きは直ちに米国にたしなめられた。昨年中台外交に活躍した国民党は両岸政策の目標を「和平(PEACE)及繁栄(PROSPERITY)」の「双P」と称して、その存在を頻りにアピールしている。

他方、日本の台湾に対する態度は、李登輝氏の訪日が二度実現したことを見ても、より友好的な方向に進んで来ていることは間違いない。尤(もっ)も、親日的台湾人にとっては、日本の態度が今尚、余りに中国寄りであることに大いに意見があるだろうが。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2006-02-15 20:28 | Comments(0)  

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