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湯島聖堂における所感-3

ご老人の出席者の多い講演が終わって考えたことは、日本の高齢社会とその行く末についてである。

和気藹々(わきあいあい)とした雰囲気の家庭環境の中で、欲が少なくなり、悲壮感なく、国を憂うこともなく、善男善女として静かに老い死んで行くこと、これに勝る幸せはあるまい。一方、高齢者の中には、老いるにつれ欲が深くなり、頑迷固陋(ころう)となり、晩節を全う出来ない人も多い。

人間、「志」(こころざし)を失ったまま時を過ごすと、ただの老人となってしまう。そして、時代遅れとなった分だけ繰り言が多くなり、「成仏」出来ず、浮かばれぬ霊の如く現世を彷徨(さまよ)うのである。

台湾でいわれる「日本精神」を体現する日本人が一体何人いるのだろうか。「生ける屍」とならぬためには、全ては若い頃からの備えと覚悟が必要である。そのように考えるだに身の引き締まる思いがする。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2006-01-11 21:42 | Comments(0)  

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