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日中関係悪化の原因について

日中関係悪化の原因は、巷間論じられているように、先方が殊更に靖国問題を前面に出して来るのが一因としてあるのだが、それだけではない。

日中双方が相手を敬わなくなったこともある。戦前はさておき、文革後の疲弊した中国には日本側の同情が寄せられると共に、悠久の歴史、古典文学・思想への日本側の敬意も払われた。また、その頃はシルクロードブームもあった。

悪化する転機は、何といっても1982年の教科書検定誤報問題であった。その後、韓国慰安婦問題への深入りといった伏線を経て、尖閣問題の再燃と台湾総統選の際のミサイル演習という「事件」があり、靖国問題の本格浮上を絡め、今日に至っている。

中国側の「走狗」となり、靖国参拝を親の敵(かたき)のように言いなす日本の一部政治家や論者の低能振りには開いた口がふさがらない。他国への「御注進」や追悼施設の検討といった気休め、問題の糊塗、すりかえ、先送りはやめて、せめて中高における漢文教育の振興といった建設的かつ友好的な意見を何故出さないのか、理解に苦しむ次第である。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2005-11-03 20:13 | Comments(0)  

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