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常任理事国入りについて

国連(連合国)という社交倶楽部の準会員から正会員になるべく齷齪(あくせく)して来た日本の安保理常任理事国入りの試みは、今のところ徒労に終わったようである。

人口の多い国々やイラク戦争で米国に楯ついたドイツと去就を共にし、その挙句(あげく)、弱小国連合の結束に一縷(いちる)の望みを託したが、結果として、期待は裏切られた。

抑(そもそ)も、ヨーロッパで損な役回りを演じさせられている運の悪いドイツと手を組んだのが、間違いのもとであった。また、安保理改革に全くやる気のない米国は、日本の常任理事国入りを、飽迄(あくまで)、拒否権なしという条件で認めるという意思表示をしたに過ぎない。

社交倶楽部の輪の中心には簡単には入れないと判っただけでも大なる収穫ではないだろうか。国連の限界を世界にアピールしただけで十分である。これで、会費を従来通り納めれば、日本は一層陰徳を積むことになるだろう。

(註)
力のない国々に助けを求めても無理で、決定権をもつ国に頼るべきである。日本は日本の流儀で押し通すしかないが、今回の蹉跌(さてつ)は、懲りない日本外交にとって、またしても良い教訓となった。感謝すべきことではある。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2005-08-08 19:35 | Comments(0)  

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