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台湾学生の示威行動について-2

 昨3月31日、立法院議場占拠に続いて、今度は総統府周辺に主催者側発表で50万人以上、警察発表でも11万6千人もの学生達が集結、「中台サービス貿易協定」の撤回を掲げて抗議行動に出た。

 これが半世紀も前なら、2.28事件の如く国民党政府が全土に戒厳令を布告し、軍隊を総動員して大弾圧を展開する所だが、李登輝政権以降、2.28事件の総括を含む「歴史の見直し」と民主化の進展した現在の台湾社会に於いては、人口比で少数派の外省人系国民党政権に最早(もはや)その選択肢は無いだろう。

 馬英九(マー=インヂウ)総統にとっては、国家元首として抗議に屈する事無く強行突破を図るか、「民意」を受け容(い)れて翻意するかの二つに一つしか無い。

 どうしても中国とは一緒になりたくない ──

 民族を異とする高砂族(ポリネシア系高地民族)は扨置(さてお)き、支那大陸にルーツがあり、言葉も公用語として同じ北京官話を話す内省・外省人系にとっては、「民族としてのアイデンティティ」の観点から、中国(支那)と一緒になっても良さそうなものをと思う方々もおられるやもしれないが、さに非ず。

 国号が「中華民国」にしろ「台湾共和国」にしろ、大陸中国とは異なる体制の独立主権国家に住み、大陸の様に共産党政権の顔色を窺(うかが)って言いたい事も言えない様な体制等まっぴら御免な台湾公民にとっては、中国に主導権を握られての経済的統合の次に当然来るであろう政治的統合 ── 両岸統一等正に悪夢以外の何ものでも無いだろう。

 今回、抗議に集結した学生達には暴動に発展する様な醜態を決して国際社会に見せ付けない理性的行動を、又、抗議を受けた側の政権側は嘗ての2.28事件同様の「闇黒の歴史」を繰り返す事等決して無い民主体制堅持を強く求めたい。

 そして、台湾の友邦に暮らす一人の友人として、学生達が求めている「中台サービス貿易協定」の撤回を馬英九総統が決断し、台湾が、中国では無い台湾として、今後も自主独立が堅持される事を強く願っている。

竹下義朗 TAKESHITA Yoshiro

by ayanokouji3 | 2014-03-31 21:00 | Comments(0)  

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