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中国崩壊と日本の役割

中国崩壊については、数年前から、複数の評論家が様々な形で論じて来ていますが、最近の傾向としては、「共産中国は崩壊寸前にあるものの、その混乱は世界経済に致命的な打撃を与えるので、日本はアメリカに見倣って、口で非難しても手加減をし、中国共産党の延命に力を貸すべきだ」との妥協的、微温的な主張が一部に見られます。

私は、たとえ現政府に友好的な他国が如何(いか)にこれを支えても、共産主義の理想を見失い、農村を疲弊させるような指導部の存在を、果たして中国の民衆が支持するのだろうか、と常々疑問に感じております。

かって貧しさを公平に分かち合った社会から、金を握ったものが勝ちだと言う拝金主義に変わった社会。それが社会主義国家だとはブラックユーモアにもなりません。毛沢東語録を片手に理想を信じた人たちが「下放」され、その子弟も農村戸籍ゆえに進学もままならない現実を前に、農村に住む10億人の不満はやがて体制を覆す源になることでしょう。

だからこそ中国内の各層の指導者は万一に備え、子弟を海外に留学させ、汚職で溜め込んだ金を海外に送金し、リスクヘッジに注力しているのです。勿論、中国が崩壊し、中国から数千万の難民が周辺諸国に流れ出せば、その影響は計り知れません。しかし、中国の明日を決めるのはアメリカではなく中国自身です。

台湾人や華僑を含む全ての中国人が、祖国を愛し中国文化に誇りを持てば、健全な国家に再建出来るでしょう。日本は良き友人として中国の「自力更生」に手を差し伸べるべきであり、汚職にまみれ腐敗した指導部の延命に安易に手を貸すべきではないと思います。

与那嶺文郎 YONAMINE Fumio

by ayanokouji3 | 2005-06-03 20:31 | Comments(0)  

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