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評論に接する際の注意点について

政治評論、経済評論、外交評論、軍事評論、歴史評論と様々な評論の分野があり、様々な内容を、書籍のほか、新聞・雑誌・テレビその他で知ることが出来る。事件の後講釈をなし、複数の論を併記しているため、物知りになり、昔の「床屋談議」の肴(さかな)となるような材料には事欠かない。

ここで、各種評論に接する際の注意点について述べておきたい。前提として、「目からウロコ」といった余りに判り易いものや、通説を全く無視した独断、独善的なものは、一時的には納得しても、後から考えると、疑問が湧いて来るものが殆(ほとん)どである。

【政治評論】
最も怨念がこもり、男の憎悪・嫉妬が顕在化する、「おどろおどろしい」分野でもある。高齢の評論家にとっては、政治家の殆どが若造の部類に属するので、言いたい放題、書きたい放題となるが、正しい部分が多いので皆納得する。また、選挙が近づくと、左右入り乱れて、意図を以て予測を行うが、外(はず)れることも多い。

【経済評論】
マクロ経済の評論家で、財政出動を唱えていた人達が影をひそめ、中には逮捕された人もいた。予測が当たらないこと、政府が自分の提言を採用しないことで、いささか自暴自棄になっていたのだろうか。株、為替の予想については、評論家の説は当てにしない方がよいが、諸説を比較検討する価値はある。

【外交評論】
当たることもあれば、当たらぬこともあり、星占いの世界である。現象面の深読みをしてもしなくとも、大体、5割の確率で当たると思われる。尚、小生の経験では、米国の大統領選の結果については、過去2回とも、現地の日本人やタクシーの運転手達の予想通りで、評論家よりも正確であった。

【軍事評論】
以上の評論よりも、より職人的、専門的な分野で、素人は足を踏み入れない方がよい。

【歴史評論】
雲をつかむような「御伽噺(おとぎばなし)」には深入りしない方が賢明である。また、司馬遼太郎の歴史小説とNHKの歴史番組に影響を受けた評論が散見されるが、若い世代に対しては、「夢と希望」をより多く与えるようなものが望まれる。

(註)
評論家の習性として、当たったことは吹聴するが、外れたことにつき「謝罪」する人は少ない。また、思想を「転向」する人も少ない。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2005-05-26 18:53 | Comments(0)  

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