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中国に親しむ方法について-2

  1. 言葉の学習
     上記の読解に慣れ、中国への関心が一層高まって来るようになったら、中国の大学に短期留学する。ここで本格的に現代中国語に挑戦することになる。大学の選択肢は今は多くなっている。宿泊先は大学内にある寮がよい。但し、自分の身の回りのことが出来ない人達にとっては、苦痛になるので、短期留学は止めた方がよい(夫婦一緒の留学は聞いたことがない)。中国に慣れた人達の中には、毎年定期的に短期留学する「猛者(もさ)」もいるようだが、それも止めた方がよい。このレベルになると、中国への理解が深まり、「それでも中国大好きおじさん」または「やはりオレは支那がきらいだおじさん」に大体二分されるが、心底そのように考えているのか、装っているのかは判然としない人も中にはいる。特に、名の売れた学者、評論家、新聞社論説委員などで、「中国通」を自認、広言する人にこのタイプが多い。この人達の得意とするところは、独自の人脈で、日本全国の自称中国通が欲している中南海の動静を逸早く知り得ることである。

  2. 漢字コンプレックスからの離脱
     中国に関する「学習」が進むと、漢字で物事を考えることと、中国的大義名分の仰々しい世界が莫迦々々(ばかばか)しくなって来る。それは或(ある)意味でのコンプレックスからの離脱であり、日本人としての覚醒を示している。このレベルに達した人は、非常に少なく、諸橋轍次といった大学者や安岡正篤といった思想家がこの範疇に入るだろうが、レベルが高過ぎるため、浅学の身には識り得ないことが多く、全て推測の域を出ない。
結論として、注意すべき点は、より高いレベルを目指すということよりも、自分に合ったレベルに「安心立命」することである。学び甲斐といった観点からは、「2.読解への取組み」に久しく留まることがベストであろう。

余談ながら、対中外交の衝に当たる者としては、「4.漢字コンプレックスからの離脱」を果たした人が最も望ましいが、実際は「3.言葉の学習」を修了していないような「お詫び行脚(あんぎゃ)おじさん」のレベルの人達が担当しているため、中国首脳の「ご発言」を恭(うやうや)しく言葉通りに受取り、その真の「ご意向」は揣摩(しま)憶測するのみに留まっている。最悪なのは、自分のレベルを自覚しない政治家や役人がしゃしゃり出て事を一層複雑にすることである。その意味では「1.分野の特定」で悩むような、或種無邪気な人達の方が外交には向いているのかも知れない。

(註)
中国に赴いて、御用聞きをして回り、結果的に「子供の使い」となる日本の政治家連は滑稽ながらも、先方にとって一服の清涼剤となり、好感を与える限り、「友好」に役立っているのではなかろうか。それは、台湾の政治家についても言えることであろう。台湾の有志諸君、以て如何と為す。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2005-05-23 20:54 | Comments(0)  

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