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中国に親しむ方法について-1

先日、あるところで、退職後、中国に惹きつけられた高齢者の方に、中国語のレベルを向上させるためのアドバイスを求められた。小生、語学については、一学生の如く懸命に努力している身であり、高齢者向けアドバイスなどおこがましいが、伝聞したことと少ない経験から、次のことを述べておきたい。
  1. 分野の特定
     先(ま)ず、分野(現代文学、古典文学、思想、近代史、料理法、太極拳等々)を絞り込み、特定する。分野によっては、日本の方が研究が進み、情報が多いものもあるので、注意を要する。情熱を注ぎ込む特定の分野がなければ、中国に積極的に親しむことは諦(あきら)め、テレビの『不思議大発見』、『食道楽紀行』といった番組やラジオの「出たきり邦人」番組の中国関連のものを受動的に視聴するに止(とど)める。時には中国関連の展示会に行って、雰囲気を味わうのもよい。これだけでも相当物知りになる。これは、無邪気な「中国大好きおじさん」のレベルである。ここまでは、多くの人が到達可能であり、高齢者の殆(ほとん)どはこの範疇に属する。

  2. 読解への取組み
     分野の特定後、会話は最初から諦め、発音は無視し、その分野に関する原書の文章読解から始める(発音に関するカセット類を購入するのは浪費である)。これには広辞苑、漢和辞典、中日大辞典、日中辞典の四冊を用意する。読解は完全でなくともよい。漢字に親しむ方法としては、原文の筆写、ワープロ・パソコン入力がある。3ケ月の後も読解が思うように進まなければ、見切りをつけ、高齢者を対象とした、日程に無理のない中国ツアーに参加する。これを何度か繰返せば、中国語は出来なくとも、相当の「中国通」になる。このレベルでは中国への中途半端な思い入れが進み、「中国大好きおじさん」から「お詫び行脚(あんぎゃ)おじさん」に変身する可能性もある。
(註)
小生の場合、30年間というもの、「2.読解への取組み」のレベルに留まっている。これまで、論語素読、漢詩試作等々に取組んだが、成果は挙がっていない。漢字に親しむため、最近、司馬遷『史記』原文のワープロ入力を実践中である。尚、本は6年前、青島(チンタオ)で買った、全四冊、3477頁(現代中国語訳付)のものである。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2005-05-23 20:52 | Comments(0)  

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