人気ブログランキング | 話題のタグを見る

文革の悪夢について

 今回の重慶政変とも称せられるべき事件で、様々な憶測が流れた。30数年前より中国の動向に興味のある者にとって、政権の内部闘争は興味津々(しんしん)たるテーマである。

 東京新聞の本27日朝刊「清水美和(論説主幹)のアジア観望」に「文化大革命は起きるか」という記事があり、「格差への怒りを自らの求心力に利用する指導者が出現すれば、文革再来も絵空事ではない」とし、「薄前党書記を排除することで団結した彼ら(指導部と温首相)の脳裏には、文革の悪夢が共通して宿っている」とある。

 あれだけの国土・人口を抱えた中国で指導力を発揮するには、綺麗事では済まされぬ強烈なイデオロギーが必要であり、それが今は豊かになるという方向に進んでいるに過ぎない。文革なかりせば、中国は今頃如何(いか)なる体制となっていたのか、これは愚問である。

 一旦大きな反政府運動が起きたときに、うまく鎮圧した者が政権に残り、弱腰で同情したりする者は切り捨てられるというこれ迄の流れは容易に変わりそうにない。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2012-03-27 20:20 | Comments(0)  

<< 昨今の所感 恩を仇で返した野田民主党政権に物申す >>