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「還我母語運動」について

 4月刊の中公新書『メガチャイナ』(読売新聞中国取材団著)の中に、台湾で蒋経国の民主改革着手後、客家(ハッカ)系住民が「還我母語運動」(「母語を返せ」キャンペーン)に乗り出した結果、台湾語や客家語を見直す動きが活発化したという箇所がある。

 実は11月のアジア大会を前にした9月に広州で「広東語を守れ」をスローガンとするデモが計画されていたが、台湾民主化の再現を警戒した当局によりつぶされたとのことである。

 同書には「少数民族の世界はもとより、漢民族の間でも高まる地域ナショナリズム。それは草の根から中央統制を揺さぶっている」とある。台湾の人々が台湾語や客家語を使える間は、精神的独立は保たれる。

 「中国台湾省」が現実のものとならぬよう、我々日本人も心しておこうではないか。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2011-05-11 21:53 | Comments(1)  

Commented by ayanokouji3 at 2011-05-11 21:57
「還我・・・」という表現は、1996年に尖閣問題が再燃していた頃、香港の新聞に「還我国土」とする見出しの記事が大きく載り、また、広東人も小生との雑談の中で「還我国土」という言い方をしていたのが非常に印象的であった。北方領土・竹島問題の進展が見られない中、日本としてはこれに倣(なら)い、対露・対韓に対し両者が日本固有の領土とただ単に主張するより「還我国土」(国土を返せ)とより積極的にアピールするのが効果的であると考える。

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