人気ブログランキング | 話題のタグを見る

二.二八記念館について

 9日付東京新聞夕刊「世界の街 海外リポート」のうちの「台北」に「重い歴史 美化を嘆く」という見出しで、新装オープンの二.二八記念館を見に行った記者の感想が述べられている。

 以前と比べると事件のむごさ、弾圧のひどさが大分消えているとし、「1万8千人から2万8千人」という死者を示す数字に、年輩の男性が片言の日本語で「実際はもっと多かったよ」と声かけてきたという。

 記念館を訪れる人は多くなく、「事件の風化が展示を変えたのか、展示の変化が事件の風化を早めているのか」とする記者の指摘は、日本の戦争記念館にも言えることではないか。

 蒋介石に対する怨みは簡単に消えるものではないにせよ、台湾の人々の魂が救済されることを切に祈る次第である。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2011-03-10 21:53 | Comments(0)  

<< 「中国ジャスミン革命」について 文藝春秋ルポについて >>