直木賞受賞作について
第144回直木賞受賞の2作品それぞれの冒頭の一部が『オール讀物』3月号に載っている。結末は読んでいないものの、芥川賞受賞2作品と比べ、読み易く、吸込まれるような感じを受けた。
「月と蟹」は少年時代の追憶であり、「漂砂のうたう」は明治初年の遊郭を描写した作品である。以前に言及した芥川賞作品は自分の境遇と余りに懸隔したテーマであるが故(ゆえ)に辟易したが、今回の直木賞作品は懸隔したテーマであるが故に同感する点が多い。
結局、作者の文体・力量よりも、自分の好みで作品の評価など如何様(いかよう)にでもなる。それは過去の受賞作家による選評を読んでも判ることである。
それにしても、文名をなさんとして若い頃から呻吟(しんぎん)を重ねても重ねずとも成功する人は成功する。天賦(てんぷ)の才ということであろうが、その名声を生涯維持して行く努力の方が賞賛に価(あたい)すると思う。
「月と蟹」は少年時代の追憶であり、「漂砂のうたう」は明治初年の遊郭を描写した作品である。以前に言及した芥川賞作品は自分の境遇と余りに懸隔したテーマであるが故(ゆえ)に辟易したが、今回の直木賞作品は懸隔したテーマであるが故に同感する点が多い。
結局、作者の文体・力量よりも、自分の好みで作品の評価など如何様(いかよう)にでもなる。それは過去の受賞作家による選評を読んでも判ることである。
それにしても、文名をなさんとして若い頃から呻吟(しんぎん)を重ねても重ねずとも成功する人は成功する。天賦(てんぷ)の才ということであろうが、その名声を生涯維持して行く努力の方が賞賛に価(あたい)すると思う。
古川 宏 FURUKAWA Hiroshi
by ayanokouji3 | 2011-02-23 21:15 | Comments(0)