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無縁社会に寄せて(台湾より)-2

 無縁社会・・・それが若い世代にまで広がって来て改めて問題視されているが、もとはと言えば、『消えた高齢者』、『長期失業者』、『中高齡失業者』といった形で、大きな社会問題として様々な論議を呼び、解決されぬまま残っていたものであった。

 人と人との無縁化、人と社会との無縁化・・・その現象は、シャッター通り化する一部の商店街とも関係している。台北で林森北路の裏町商店が閑散とするようになった理由の一つが大型ショッピングセンターやスーパー家樂福(カルフール)、大潤發(ダールンファー)、愛買(アイマイ)・・・の郊外出店にあり、顔と顔とで向き合う関係が益々少なくなっているのは事実だ。

 他方、私の故郷である苗栗南庄では人と人とのコミュニケーションが不足しているという訳ではない。いつも顔と顔とで向き合う関係が客家(ハッカ)語を通じてしっかり成立している。

 モバイルツールが発達し過ぎて、現実と仮想現実とが混在している状況にある今、日々新聞の紙面を賑わすが如き犯罪の多様化により、新たな社会問題が次々に出て来るのも当然のことである。而(しか)してその由て来(きた)る所以(ゆえん)の者は無縁社会の到来にあると思う。

李 叔德

by ayanokouji3 | 2011-02-16 20:58 | Comments(0)  

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