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『はじめての宗教論』について

 鈴木宗男事件に連座して投獄されたことのある佐藤優の著書『はじめての宗教論』右巻・左巻を読んだ。

 小生、或(あ)る理由から新約聖書の解説書を同時に数冊読んでおり、周辺の知識も得るために上記書に接したところ、衒学(げんがく)的ではあるものの、予想外の面白さであった。

 「われわれは天にいる神をほんとうに信じていませんが、ほんとうに信じていないことを口にしてはいけないというのが、キリスト教信仰の第一前提です。だからこそ神学が不可欠なのです」とあるが、至極(しごく)尤(もっと)もである。

 ああでもない、こうでもないとやたら捏(こ)ね繰(く)り回し、権威づけるのが神学の醍醐味・真骨頂である。胡散臭(うさんくさ)いものから兎角(とかく)逃げがちな日本人に判り易いように噛(か)み砕(くだ)いて丁寧に解説しているのは、流石(さすが)に「知の怪物」といわれるだけのことはある。通り一遍の市販書に倦(う)んだ50~60代の男性に一読を勧める。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2011-02-12 21:55 | Comments(0)  

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