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「革命をプロデュースした日本人」について

 本年は辛亥革命百周年、日中の記念事業に併(あわ)せた形で、孫文を支援した梅屋庄吉の事蹟が顕彰されることとなったのを機に、小生もその曾孫(ひまご)の手になる『革命をプロデュースした日本人』という本を読んでみた。

 アイデアマンとしての梅屋庄吉が映画事業等で得た大金を以(もっ)て辛亥革命に寄与したというのは、誇るべき業績であり、これを中国共産党が評価しているというのは、ひとえに孫文・宋慶齢夫妻との深いつながりによるものであることは間違いない。

 ここに特筆すべきは、梅屋庄吉の妻トクが梅屋家の養女として発言力・行動力があったということと、この人が壱岐島出身ということである。内助の功といってしまえば簡単だが、その前にその出自による特異性があったのだろう。

 本書は非常に読み易く構成され、また、立派で篤実な夫婦の物語として描かれていることもあり、兎角(とかく)歴史の舞台裏を穿鑿(せんさく)したがる高齢者よりも、社会のどす黒い面に未(いま)だ染まっていない20~30代の青年諸君に一読を勧(すす)めたいと思う。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2011-01-30 21:34 | Comments(0)  

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