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元気の出る新聞について

 或(あ)る中国人の青年に聞いたところでは、会社で日経新聞を読む以外、他の新聞は一切読まないという。成程(なるほど)、日経新聞は中国の経済的飛躍を伝える記事ばかりで、大いに元気が出るに違いない。

 経済一辺倒の中国人にとっては、産経はもとより、中国に対する論調が厳しくなりつつある朝日は受け入れられず、ましてや大紀元時報のような共産党批判一色の新聞はとんでもないということになる。

 一部の日本人にとっても日経新聞のみが元気の出る新聞ということになろうが、それだけでは何か足りない。足りないものとは単なる美談や偉大なる日本人の事蹟ではなく、将来我々自身が到達可能な精神レベルの向上に寄与する秘策である。

 それは過去の歴史を幾等(いくら)繙(ひもと)いてみても、一心不乱に先祖や神仏に祈っても得られるものではなく、個々人が自らの才覚と予見性を以て作り出すものでなくてはならない。日々の生活に追われず、精神的にゆとりのある者のみが、精神レベルの向上を図ることが出来る。吾人は須(すべから)くここに意を用いて孜々(しし)として努めざるべけんや。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2011-01-12 21:30 | Comments(0)  

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