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師走に思う-5

「一年の計は元旦にあり」というものの、実は師走(しわす)に来年の計を決めておかねば年があらたまってからでは遅過ぎる。

然(しか)るに、日本国の経営を傍観するに、その日暮らしで汲々(きゅうきゅう)とし、糊口(ここう)を凌(しの)ぐような有様(ありさま)で、首相交代もあるやも知れず、来年になっても来年の計画が出来ぬような見込みである。

何と嘆(なげ)かわしいことではないか。併(しか)し、日本のこの二十年の経済的・精神的停滞は自業自得(じごうじとく)であることを国民全体が悟(さと)ったとき、新たな展望も生まれるというものである。

時は既に遅けれども、一億総懺悔(ざんげ)した上で、職業面で精神面で一所に凝滞せず、豁達(かったつ)にして奮闘努力する精神を以(もっ)てすれば、一種の国民的敗北感も何時(いつ)しかは法悦(ほうえつ)の境地を齎(もたら)すことであろう。そのことを期待して擱筆(かくひつ)する。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2010-12-09 20:47 | Comments(0)  

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