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師走に思う-4

大東亜戦争勃発以来既に閲(けみ)すること実に六十九星霜(せいそう)、年々戦争のイメージが風化して行く中、師走(しわす)は終戦記念日前後同様、皮相な感傷に浸(ひた)る人々の繰言(くりごと)を聞かされたり、読ませられたりする時期でもある。

戦争の思い出話は、かなり以前は佐官級によるものであったのが、そのうちに少尉・下士官のレベルとなり、今や少年兵による昔語りとなってしまった。

このまま時が過ぎて行けば、真の語り部(べ)は誰もいなくなり、いつかは一定の歴史観が定着してしまう。

戦争の傷跡は忘却によって薄れつつ、子々孫々の心の片隅に静かに残って行くのだろう。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2010-12-08 20:44 | Comments(0)  

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