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日本の思想について

東京新聞の29日夕刊、梅原猛氏の随筆「思うままに 人類哲学についての覚書(六)」に、日本の思想とは何かということを約50年間問い続けて、「天台本覚(ほんがく)思想」がその答えであることを見つけた、とある。

「草木国土悉皆成仏(そうもくこくどしっかいじょうぶつ)」の思想はインド仏教にはなく、中国の仏教でも主流にはならなかったが、日本では能、俳句や絵画にも強く影響を与えているとする。植物・鉱物にさえ仏性(ぶっしょう)を認める日本の思想は特殊なること、無論である。

ところで、若い頃は人並に血の気の多かった小生も既に高齢となり、「心なき身にもあはれは知られけり」や「見渡せば花も紅葉もなかりけり」の枯れた境地に到達した。その一方で、皇国思想にも何となくなつかしみを覚える。

現下、政治の混乱を見るに、親戚の歌集に見出した次の和歌(昭和37年作)

 すめぐに(皇国)の みいつ(御稜威)あがらぬ時にこそ ともに憂ひむ み民(御民)われらは

が今の心境に合致する。「ながらへてなすなき」小生も「生ける験(しるし)」あるが如く、日々精進(しょうじん)せねばならぬとつくづく思うのである。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2010-11-30 21:21 | Comments(0)  

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