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尖閣諸島中国漁船衝突事件 ビデオ流出に付いて-1

折角、内閣官房長官もとい「影の総理」仙谷由人が苦心惨憺して国民への公開を阻んだ件(くだん)のビデオ映像が暴露されて一日経った。「YouTube」や「ニコニコ動画」での視聴はおろか、日本唯一の公共放送局「日本放送協会」(NHK)のニュースですら、ダイジェストとは言え、件のビデオ映像が放送された。事此処に及んでも政府は尚、ビデオ映像の国民への全面公開を渋っている様だが、最早(もはや)ネット動画に暴露配信され、多くの国民が目にしてしまったものを、今更隠しても致し方無い訳で、此処は当初の政府方針を転換し、日本放送協会は元より民放各社へ対しても、放送希望のテレビ局には全てビデオ映像の自由な配信を認め、広く国民に全面公開す可(べ)きもの考えるが、如何(いかが)であろうか?

扨(さて)、今後の展開で注目されるのは、今回、件のビデオ映像 ── まず海保巡視船から撮影された正真正銘本物のビデオ映像 ── を「YouTube」上に投稿した人物に対する処置に付いてである。

件のビデオ映像は事件の証拠物件であり、極めて厳重に管理されていたものである(とされている)。その証拠物件が流出した ── いや、恐らくは政府方針を由とせぬ内部関係者が故意に流出させたのであろうが、そうなると仮にその人物が海上保安庁の職員だった場合、国家公務員法違反に当たり処罰の対象となる。菅内閣は政府方針に反してビデオ映像を流出させた人物に対して容赦はしないだろう。然し、そうなると大いなる矛盾にぶつかってしまうのである。

元となった9月の尖閣諸島漁船衝突事件では、支那福建省の漁船が、日本領海に侵入し、日本固有の領土である尖閣諸島近海で違法操業を行い、それを発見した海上保安庁巡視船の停船命令に従わず逃走。更に停船させようと追尾していた二隻の巡視船に相次いで自船を衝突 ── 詰まりは「当て逃げ」した上で更に逃走を図った訳で、0対100で漁船側に全面的な非があり、どう転んでも弁明のしようがない性格の事案であった。だからこそ、海保は漁船を拿捕し、那覇地検に船長を送検したのだが、それを政府、検察、そして、海保孰(いず)れも否定してはいるものの、「影の総理」の意向で「処分保留の儘(まま)釈放」と言う到底あり得ない処置を採った。この様な処置を採った政府及び関係機関が、ビデオ映像を流出させた人物を果たして処罰出来るであろうか?

仮にその人物が国家公務員である日本国民だったとして、その人物を「国内法に則って粛々」と処罰したとしよう。そうなると、この様な誹(そし)りを政府は免れ得ない事となる。

「極めて悪質な外国人犯罪者には寛大で、義憤に駈られた日本国民には極めて厳しい」

菅内閣は終わった。

最早、内政・外交に対する一本筋の通ったポリシーは無く、政府の管理能力にも欠如する菅内閣=民主党政権は早々に衆議院の解散総選挙を以て、改めて国民の信を問う可きである。そうでなければ、ビデオ流出どころか更に大きな問題が起こるだろう。それは、大正デモクラシーの中、迷走した政党政治により内閣・議会が弱体化し、それを補完するが如く軍部が政治介入した過去の歴史の再来である。

軍部が台頭し政治に介入するのは軍部が悪いからでは無い。民主政治体制に於いて、政治を担う可き政党が本来す可き事を放棄するからである。

この平成の御世に現代の軍隊である自衛隊がクーデターを起こして軍政を布(し)く事は考え難い。いや、あり得ないだろう。だが、それよりももっと恐いのは、政府・官僚を全く意に介さない無政府主義(アナーキズム)の台頭である。

日本が国家の体(てい)を為さない混沌(カオス)に陥らぬ様、政府、政権与党、そして、野党の皆が心して自らの体たらくを反省し、この国難共言える現状に襟(えり)を正して当たり、失った国民の信頼を一歩々々取り戻していかなければならない。

竹下義朗 TAKESHITA Yoshiro

by ayanokouji3 | 2010-11-06 15:53 | Comments(0)  

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