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李叔徳氏とのメールやりとりについて-5

在外日本企業に話を戻せば、外国にあるが故(ゆえ)に法令・人事面での制約条件があり、経営は中々思うように行かぬと思う。在外日本企業は、親企業の形を変えた縮図であり、内部闘争に起因する矛盾が露呈し、業績にも影響して来ることが多い。

かかる状況下、うまく立ち回れる人は良いが、詰め腹を切らされる人も出て来るのは憐(あわ)れである。併(しか)し、達観すれば、それは個人レベルの不運な物語であり、一私企業の中のさざなみに過ぎない。

とはいうものの、現地幹部の私心、結託、異分子排除の有様が嘗(かつ)ての日本軍部内の抗争に酷似しており、その悪因が延(ひ)いては、日本の対中外交政策が招いた悪果につながると李叔徳氏は指摘する。

台湾・韓国・満洲経営を久しくした壮大な日本帝国であっても、軍部のみならず、現地機関の一つ一つの組織をとってみれば、一私企業の集まりの如きものではなかったのか、と父祖の記録をなつかしく読み、話を思い出して、今そのように感ずるのである。

古川 宏  FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2010-10-12 17:42 | Comments(0)  

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