『皇族と帝国陸海軍』について
明治以降の歴史を振り返る際の様々な観点の中で、天皇・皇族の動向、更に軍と絡めた経緯を扱った本は、同種のものを何冊読んでも面白い。
文春新書の近刊として『皇族と帝国陸海軍』(浅見雅男著)が出たので、熟読玩味したが、陸海軍において皇族たることによる優遇と義務の相反関係や、皇族間の非常に生々しいやりとりに、皇族とて世間から完全遊離していた訳でないことをあらためて知ると共に、身分制度のあった遥か昔を書上のものとして、善(よ)し悪(あ)しを超えて、客観的に偲(しの)ぶのみである。
さて、現今の民主政体下、一国の首相が交代すること、恰(あたか)も弊履を捨てるが如(ごと)き由々(ゆゆ)しき事態となり果てているというものの、戦前の体制も敗戦を以て終焉(しゅうえん)を迎えざるを得なかったのは、かなりの無理があったからで、これを簡単に論評する訳には行かぬ。
それなりに奮闘努力された「皇族」方も直宮(じきみや)以外は廃止、また、全力を尽くした「陸海軍」は力及ばず、解体された。残念なこと限りない。
文春新書の近刊として『皇族と帝国陸海軍』(浅見雅男著)が出たので、熟読玩味したが、陸海軍において皇族たることによる優遇と義務の相反関係や、皇族間の非常に生々しいやりとりに、皇族とて世間から完全遊離していた訳でないことをあらためて知ると共に、身分制度のあった遥か昔を書上のものとして、善(よ)し悪(あ)しを超えて、客観的に偲(しの)ぶのみである。
さて、現今の民主政体下、一国の首相が交代すること、恰(あたか)も弊履を捨てるが如(ごと)き由々(ゆゆ)しき事態となり果てているというものの、戦前の体制も敗戦を以て終焉(しゅうえん)を迎えざるを得なかったのは、かなりの無理があったからで、これを簡単に論評する訳には行かぬ。
それなりに奮闘努力された「皇族」方も直宮(じきみや)以外は廃止、また、全力を尽くした「陸海軍」は力及ばず、解体された。残念なこと限りない。
古川 宏 FURUKAWA Hiroshi
by ayanokouji3 | 2010-10-10 17:51 | Comments(0)