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総選挙の結果について-2

昨日の衆院選の結果に付いては既にあちらこちらのブログで語り尽くされている事と思うので、自公連立政権や民主党に付いて改めて私が語る事は無い。然(しか)し、海外 ── 特に隣国・支那(中国)の反応が非常に面白かったので、その事に触れてみたいと思う。

「天が変わった」中国各紙、日本の行方に関心

 【北京=杉山祐之】中国各紙は31日、民主党が圧勝した衆院選結果を大々的に報じた。
 1972年の日中国交正常化以来、ほぼ全期間を通じて「自民党の日本」を相手にしてきた中国は、その政権が一夜にして消滅した現実を驚きをもって受け止めたようだ。中国は民主党政権下の日本の行方にも大きな関心を抱いている。
 「日本が『大王の旗』を変えた」「天が変わった」「民主党が歴史的大勝利」――。各紙は、政権交代を伝える大きな見出しを掲げ、分析付きで結果を詳報している。民主党の鳩山由紀夫代表については「日本のオバマ」「宇宙人」などとの評を紹介した。
 今後の日中関係については、「(関係発展の)大きな流れは変わらないだろう」(国営新華社通信)との見方が強い。
読売新聞 [08/31(月) 11:14]

この記事で「支那らしい」と思ったのは、「天が変わった」と言う彼らの反応だ。「天」と言って空高く雲の上にある「天」と思うのは早合点(はやがてん)で、此処(ここ)で彼らが用いた「天」とは「天命」の事と解した方が分かりやすい。即(すなわ)ち「天が変わった」とは「天命が革(あらた)まった」と言う意味なのだ。

「天命が革まる」 ── これは所謂(いわゆる)「革命」の語源なのだが ── 支那では古来より時の王朝は「天」=「天帝」(宇宙の主宰者)より、この地上の統治権を委任されると言う形式で国家万民を統治してきた。然し、王朝の創立から時間が経つと次第に世が乱れる様になる。すると、「天」は地上の統治権を委任するに足る新たな支配者を選び出す。こうして、古い王朝が倒され、新たな王朝が始まる。これが「革命」であり、彼ら支那人の目には、行き詰まった「自民党王朝」の命運が尽き、新たに「天」が「民主党王朝」を選んだ様に映ったのだろう。然も、「銃口から政権が生まれる」と言われる支那 ── 「新中国」建国以来、中国共産党による一党独裁体制を維持する支那にしてみれば、武力を一切伴わない国民による「選挙」によって、自民党政権が一夜にして崩壊した事は到底信じ難く、理解の範疇を超えた出来事に映ったに違いない。

その意味では、支那側の論評は正(まさ)に「支那らしい」の一語に尽きるものだったと言えよう。

竹下義朗 TAKESHITA Yoshiro

by ayanokouji3 | 2009-08-31 21:03 | Comments(0)  

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