人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「兄弟牆に鬩ぐ」について-2

「兄弟牆に鬩ぐ」にはその続きがある。これを記せば、

  兄弟鬩于牆    兄弟牆に鬩げども
  外禦其務     外、その侮りを防ぐ
  毎有良朋     良友ありといえども
  烝也無戎     ひさしく助くるなし

即ち、兄弟不仲でも外からの侮辱に対しては協力して防ぐものだ、仲のよい友人でもこういう時には助けてくれないものだから、というものである。

これを台湾に当て嵌めてみれば、兄弟不仲とは独立派の内訌である。然らば仲のよい友人とは何れの国か。

今、台湾の向かうべき道は次の三つしかない。

  1. 中国への編入 ── 台湾公民の意思が明確となれば、日米も異議を唱えることは出来ない。

  2. 現状維持 ── 台湾公民の意思が二分されるのであれば、中国と日米が牽制し合い、当分の間、今の中途半端な体制を継続する。

  3. 建国独立 ── 内政問題を抱えた中国が許さない。逆に許すようであれば、中国の崩壊必至とみてよい。

上記の三つ以外に考えられるのは、現状維持のまま日米と緊密に提携、建国独立並の権利を得る(国連再加入)というものである。併し、これには大義名分を必要とする。

中国側に立てば、漢民族としての同一性や香港の例を否定出来ないし、台湾独立派側に立てば、共産党政府との関連性が薄れ、政治体制が長期間異なっていることもまた否定出来ない。

日本としては、主動的に台湾と相携え、東アジアの平和安定に寄与、安全保障体制を確立するということしかない。行き着くところは、「共栄圏」の復活である。

古川 宏 FURUKAWA Hiroshi

by ayanokouji3 | 2005-03-17 21:56 | Comments(0)  

<< 「以台制支」の戦略について 「兄弟牆に鬩ぐ」について >>