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中国に頼らねば台湾経済は救えないのか?

国民党政権の下(もと)で復活した老官僚には国家の十年、二十年先の将来に対する見通しが欠如しており、短期的な経済振興策を以て今後4年間の政権維持のための万能薬としている向きがある。先般、陳雲林が来台したとき、激烈な対立と緊張を生んだのは、馬政権が陳の警護にただならぬ注意を払い、国内対話と和解に意を用いなかったがためである。現政権は一つの大改革も行うことなく、老官僚を活かしておくというのであれば、人民はやりきれない。確かに政府高官の面々は雲上人であり、人民とは懸け離れた存在であるが、教育政策の失敗が労働市場の混乱を招き、多くの青年輩が苦境に陥っている。現在民衆には自力救済の手段しか残っていない。

四川大地震の復興に拠出した金額では、全中国からの分が台湾の分に及ばないという事実は何を意味しているのか。台湾人が世間を知らないお人好しである一方、中国人は遥かに聡明、否狡猾であると言える。

目下世界共通の不景気の影響を受けつつある中国における衝撃を甘く見てはならない。大陸では工場閉鎖・倒産・失業人口は増えこそすれ、減ることはない。台湾の現在の経済情勢下、中国への投資は見合わせざるを得ない。

台湾は中国に頼らねば、当然全世界を相手にせねばならず、何をしても圧力を加えられるのである。市場が力の強い者が生き残る場所であるのと同様、国際政治の舞台で、米国が民主自由を標榜するのは中国共産党と一緒になって、台湾の良いところ取りをするようなものである。

私は仕事の関係で外国に行っては歩き回り、感ずるのだが、中共の台湾に対する影響は甚だ大きく、展覧会への出品といったビジネス活動においてでさえ台湾の業者は圧力を加えられるのである。また、次のような単純なこともしみじみと考えてみた。もし隣の家が裕福で、自分の家には何ら収入がないとしよう。隣の家の人達は自分のところにわざわざ来て援助するだろうかと。

李 叔徳

by ayanokouji3 | 2008-12-03 20:14 | Comments(1)  

Commented by 古川 宏 at 2008-12-03 20:56 x
政治・経済両面で袋小路に入り、行く先がないと考えている台湾人の危機感こそが打開の糸口をみつける捷径ではないだろうか。国家も個人も真の苦境に陥らぬ限り、真の意味での意識改革・体質改善に動こうとはしない。台湾人の苦悩は楽観的な日本人が三省するこよなき材料たり得ると信ずる。

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