温暖化、ワクチン副作用、男女差別、学校でのいじめ、外国人問題ほか、社会・個人レベルにおけるありとあらゆる問題がここぞとばかりに報道され、本当に辟易しているのが偽らざる今の心境である。
こうした時代の趨勢(すうせい)に逆行して生きて行くのは中々難しく、鷹揚(おうよう)に構えているうちに許されるどころか、刑事訴追や民事訴訟等に迄持ち込まれるリスクがあるというのは余程(よほど)のことをすればの話である。
輿論(よろん)の分断が比較的少ない単一民族の日本国民といえども行き過ぎた自由には疑問を感ずることもあるだろう。言論の自由を良しとする中国人は日本で目立った活動をすれば本国に睨まれることになる。
(補記)
バブル崩壊後もまだ日本が輝いて見えた1990年代半ばに日本人と結婚した中国人女性に聞いたところ、その当時日本人になり切るために涙ぐましい努力をしたという。爾来(じらい)30年、国力は逆転した。国家統一が至上命題である中国にはかなりの危うさがあり、日中間の諸懸案が単に日本の外交努力や歩み寄りといったことでは解決出来ないことは判っている。なるべく厄介な中国と中国人には関わりたくないというのが日本国の方針であり、国民の切なる思いであろう。中国の知識人が日本に好意を抱き、多くを期待したとしても、日本にはこれに答えるだけの素地がない。経済停滞や人口問題についてはそれぞれの国の体制に応じて対処するしか解決策はない。介護保険のない中国と、福祉制度のレベルがかなり向上し介護面では社会主義に近いとも言える日本との立場が逆になっているのは一面皮肉のように映るが、体制が違う国同士の相互研究、国民同士の交流と切磋琢磨は元々無理である。総統選を終えた台湾での有事について中国経済の現状を理由として可能性は低いとの楽観的な立場もあるが、中国の面子(めんつ)を賭けた台湾問題が突出しつあるように関係国には見えており、楽観・悲観の両面の要素が交錯した挙句に偶発的に衝突が起きるという事態を否定出来ないのが何とも不気味で、憂慮すべきことである。学者・評論家・ジャーナリストをはじめ、知識人には多くを期待することは出来ない。政治家のアバウトな判断で事態を乗り切るしかない。
# by ayanokouji3 | 2024-03-13 11:29 | Comments(0)